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理由で解く 柔道整復師
高齢者の歩行は「速さを譲って安定を取る」方向に変わります。左右の足の間隔である歩隔を広げ、支持基底面を大きくして立ち直りやすくするのが代表的な変化です。
加齢に伴って下肢の筋力、とくに足関節底屈による蹴り出しの力が落ち、視覚・前庭覚・体性感覚をまとめてバランスを取る働きも遅くなります。その条件下で転ばずに進むために、1歩を小さく、床に足がついている時間を長く、左右の揺れに耐えられる幅広の足取りへと歩き方が組み替えられます。歩行速度は〔歩幅 × 歩行率〕で決まるため、歩幅が縮めばそのぶん速度が落ちます。ほかにも、つま先が床から離れる高さ(クリアランス)の低下によるすり足、上肢の振りや体幹回旋の減少、方向転換に要する歩数の増加がみられます。これらは弱さの表れであると同時に転倒を避けるための適応でもあるので、下肢筋力とバランスの運動、段差や敷物などの環境調整、足に合った靴の選択を組み合わせて支えることが実際の対応になります。
| 歩行パラメータ | 加齢による変化 | 理由 |
|---|---|---|
| 歩隔(左右の足の間隔) | 拡大 | 支持基底面を広げて左右の動揺に備えるため |
| 歩幅・ストライド長 | 短縮 | 足関節底屈の蹴り出しが弱くなり、片脚支持を短くしたいため |
| 歩行率(ケイデンス) | ほぼ不変 | 加齢変化の主体は歩幅短縮。歩行率では補いきれず歩行速度が低下する |
| 歩行速度 | 低下 | 歩幅×歩行率のうち歩幅が縮むため |
| 両脚支持期 | 延長 | 両脚が床についている時間を長くして安定を確保するため |
| 遊脚期(脚が床から離れている期間)の割合 | 相対的に短縮 | 立脚期の割合が増えることの裏返し |
| つま先のクリアランス | 低下(すり足) | 股・膝・足関節の運動範囲と筋力の低下。つまずきの一因 |
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