学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §7 体温とその調節 / QJ33A104

理由で解く 柔道整復師

QJ33A104 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問104
問題
体温調節中枢があるのはどれか。
選択肢
1 視床
2 視床下部
3
4 延髄
解答
正解2(視床下部)
解説

体温の基準値(セットポイント)を決め、産熱と放熱を釣り合わせているのは視床下部です。自律神経・内分泌・本能行動をまとめて指揮する部位、という位置づけで覚えます。

視床下部の前部(視索前野・前視床下部)は体温が上がったときに働き、皮膚血管を拡張させ発汗を促して熱を逃がします。後部は体温が下がったときに働き、皮膚血管を収縮させ、ふるえや褐色脂肪組織の代謝で熱をつくります。判断材料は、皮膚の温度受容器からの情報と、視床下部を流れる血液の温度そのものです。感染時には炎症性サイトカインを介してプロスタグランジンE2が増え、セットポイントが高い値に付け替えられます。悪寒やふるえが起こるのは、実際の体温をその新しい基準まで引き上げようとするためで、解熱時の発汗はセットポイントが下がった結果です。視床下部は他に、飲水中枢、摂食中枢と満腹中枢、下垂体を介した内分泌調節、視交叉上核による概日リズムも担います。「体温・飲水・摂食・下垂体・リズム」をひとまとめに視床下部で覚えると、関連問題にも一度に対応できます。

✓ 2. 正しい
視床下部
体温調節中枢の所在です。前部が放熱(皮膚血管拡張・発汗)、後部が産熱(皮膚血管収縮・ふるえ・褐色脂肪)を受け持ち、セットポイントに合わせて自律神経と内分泌を動かします。発熱・解熱の現象も、この基準値の上げ下げとして説明できます。
✗ 1. 誤り
視床
嗅覚を除くほぼすべての感覚を大脳皮質へ中継する部位です。温度感覚の情報も通過しますが、通り道であって基準値を決める場所ではありません。名前が似ているので、「視床=感覚の中継所」「視床下部=自律機能の司令塔」と役割で言い分けて覚えます。
✗ 3. 誤り
呼吸のリズムを整える呼吸調節中枢や、三叉神経・顔面神経・外転神経などの脳神経核があり、排尿反射の調節にも関わります。体温のセットポイントを扱う部位ではありません。
✗ 4. 誤り
延髄
呼吸中枢、心臓血管中枢のほか、嚥下・嘔吐・咳・くしゃみの中枢がある「生命中枢」です。体温調節の指令そのものは視床下部が出し、延髄は循環や呼吸の調節を通じて結果的に関与します。生命維持の中枢=延髄、体温=視床下部、と分けて押さえてください。
ポイント
  • 体温調節中枢は視床下部。前部(視索前野・前視床下部)=放熱(皮膚血管拡張・発汗)、後部=産熱(皮膚血管収縮・ふるえ・褐色脂肪)。
  • 入力は皮膚の温度受容器と視床下部を流れる血液の温度。セットポイントに合わせて自律神経・内分泌が働く。
  • 発熱はプロスタグランジンE2によるセットポイントの上昇。悪寒・ふるえは新しい基準へ体温を上げる過程、解熱時の発汗は基準が下がった結果。
  • 視床下部は他に飲水中枢、摂食・満腹中枢、下垂体を介した内分泌調節、概日リズム(視交叉上核)も担う。
  • 視床は感覚の中継(嗅覚を除く)、橋は呼吸調節、延髄は呼吸・循環・嚥下・嘔吐の生命中枢と区別する。
比較表
部位主な中枢・機能
視床下部体温調節、飲水、摂食・満腹、下垂体を介する内分泌調節、概日リズム、自律神経の統合
視床嗅覚以外の感覚を大脳皮質へ中継
中脳姿勢反射、対光反射・輻輳反射などの中枢(上丘・下丘、動眼神経核)
呼吸調節中枢、三叉・顔面・外転神経核、排尿反射の調節
延髄呼吸中枢、心臓血管中枢、嚥下・嘔吐・咳・くしゃみの中枢
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