学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §1 総論 / QJ34A081

理由で解く 柔道整復師

QJ34A081 生理学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問81
問題
ゴルジ装置の機能はどれか。
選択肢
1 ATP の産生
2 老廃物の分解
3 分泌顆粒の生成
4 ステロイドホルモンの合成
解答
正解3(分泌顆粒の生成)
解説

ゴルジ装置は、粗面小胞体でつくられたタンパク質を受け取り、糖鎖の付加などの最終加工をしたうえで袋に詰めて送り出す「仕上げと包装」の場である。したがって分泌顆粒の生成が正解となる。

分泌タンパク質は、まず粗面小胞体に付着したリボソームで合成され、小胞体内腔で折りたたまれる。次に輸送小胞に包まれてゴルジ装置のシス面(入口側)へ運ばれ、扁平な袋(槽)が重なった構造の中をトランス面(出口側)へ移動する間に、糖鎖修飾や部分切断による活性化を受ける。加工の終わった中身はトランス面から分泌顆粒として切り出され、細胞膜と融合して開口分泌(エキソサイトーシス)で細胞外へ放出される。膵外分泌細胞、内分泌細胞、抗体を産生する形質細胞などでゴルジ装置がよく発達しているのは、この経路を大量に動かしているからである。なお、リソソームに詰め込まれる加水分解酵素の選別・包装もゴルジ装置が担っている。

✓ 3. 正しい
分泌顆粒の生成
ゴルジ装置のトランス面から分泌顆粒(分泌小胞)が切り出される。「小胞体でつくる → ゴルジで仕上げて包む → 顆粒として出す」という一方向の流れで覚えると、他の小器官と取り違えにくい。
✗ 1. 誤り
ATP の産生
ATPの大量産生はミトコンドリアの役割である。マトリックスのクエン酸回路と内膜の電子伝達系・酸化的リン酸化でATPがつくられる。心筋や骨格筋などエネルギー需要の大きい細胞でミトコンドリアが豊富な点と結び付けて覚えるとよい。
✗ 2. 誤り
老廃物の分解
不要になった細胞内成分や取り込んだ異物を分解するのはリソソームである。内部が酸性に保たれ、多種類の加水分解酵素を含む。リソソームの酵素はゴルジ装置で包装されるが、分解そのものが行われる場はリソソームであると整理しておく。
✗ 4. 誤り
ステロイドホルモンの合成
コレステロールを材料とするステロイドホルモンの合成は、主に滑面小胞体(一部の反応段階はミトコンドリア)で進む。副腎皮質や性腺(精巣・卵巣)の内分泌細胞では滑面小胞体が著しく発達しており、ゴルジ装置ではない。
ポイント
  • ゴルジ装置=タンパク質の最終加工(糖鎖修飾など)と分泌顆粒への包装を担う。
  • 分泌の流れは「粗面小胞体 → 輸送小胞 → ゴルジ装置(シス面→トランス面) → 分泌顆粒 → 開口分泌」。
  • ATP産生はミトコンドリア、分解はリソソーム、ステロイド合成は滑面小胞体と対応づける。
  • リソソームの加水分解酵素もゴルジ装置で選別・包装されて生じる。
  • 分泌が盛んな細胞(膵外分泌細胞・形質細胞など)ではゴルジ装置と粗面小胞体が発達する。
比較表
細胞小器官主な機能発達している細胞の例
ゴルジ装置タンパク質の糖鎖修飾・選別、分泌顆粒の生成膵外分泌細胞、形質細胞
ミトコンドリアクエン酸回路・電子伝達系によるATP産生心筋、骨格筋、肝細胞
リソソーム加水分解酵素による老廃物・異物の分解マクロファージ、好中球
滑面小胞体ステロイド合成、脂質代謝、解毒、Ca²⁺貯蔵副腎皮質、性腺、肝細胞、筋細胞
粗面小胞体リボソームによる分泌・膜タンパク質の合成形質細胞、膵外分泌細胞
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