学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §34 下腿骨骨幹部骨折の固定 / QJ34A038

理由で解く 柔道整復師

QJ34A038 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問38
問題
下腿骨骨幹部骨折で使用されるのはどれか。
選択肢
1 長下肢装具
2 靴型金属支柱付短下肢装具
3 プラスチック型短下肢装具
4 PTB キャスト
解答
正解4(PTB キャスト)
解説

下腿骨骨幹部骨折で用いられるのはPTB(膝蓋腱支持)キャストで、膝蓋腱と脛骨顆部で体重を受けながら早期の荷重歩行を可能にする。

PTBはpatellar tendon bearing(膝蓋腱支持)の略で、もともとは下腿切断者の義足ソケットの荷重方式を骨折治療に応用したものである。膝蓋腱と脛骨顆部で体重の一部を受け止め、同時に下腿の軟部組織を全周から圧迫して筋を一種の内圧支持として使うことで、骨折部の短縮や回旋を抑える。この機能的装具療法(Sarmiento法)では、荷重による軸圧刺激が仮骨形成を促し、膝関節と足関節を動かせるので関節拘縮や筋萎縮も防げる。適応は骨癒合が進んで転位の危険が小さくなった時期で、転位が大きい例や不安定な骨折には用いない。他の3つは麻痺や変形による歩行障害に対して足関節・膝関節の動きを制御する装具で、骨折部の荷重支持を目的としたものではない。

✓ 4. 正しい
PTB キャスト
膝蓋腱と脛骨顆部で荷重を支え、下腿を全周から圧迫して骨折部の短縮・回旋を抑える。早期荷重による軸圧刺激が仮骨形成を促し、関節拘縮や筋萎縮も防げる。
✗ 1. 誤り
長下肢装具
大腿から足部までを覆い膝関節を制御する装具。下肢麻痺や膝の支持性低下による歩行障害に用いるもので、骨幹部骨折の荷重支持を目的とした器具ではない。
✗ 2. 誤り
靴型金属支柱付短下肢装具
靴に金属支柱を取り付けて足関節の動きを制御する装具。麻痺や変形による歩行障害が対象。
✗ 3. 誤り
プラスチック型短下肢装具
下垂足などに対して足関節の背屈を補助する装具。骨折部を圧迫保持する構造をもたない。
ポイント
  • PTB=patellar tendon bearing(膝蓋腱支持)。膝蓋腱と脛骨顆部で荷重を受ける
  • 下腿を全周から圧迫することで骨折部の短縮・回旋を抑える(Sarmientoの機能的装具療法)
  • 早期荷重による軸圧刺激が仮骨形成を促す
  • 膝・足関節を動かせるため関節拘縮と筋萎縮を防げる
  • 装具は「何を目的に、どの部位で力を受けるか」で整理する。長下肢装具・短下肢装具は麻痺や変形が対象
比較表
器具覆う範囲主な目的・適応
PTBキャスト膝蓋腱下〜足部下腿骨骨幹部骨折の荷重支持と早期歩行
長下肢装具大腿〜足部下肢麻痺、膝の支持性低下
靴型金属支柱付短下肢装具下腿〜靴足関節の変形・麻痺による歩行障害
プラスチック型短下肢装具下腿〜足部下垂足などの背屈補助
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