学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §33 足関節外側靱帯損傷の固定 / QJ34A037

理由で解く 柔道整復師

QJ34A037 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問37
問題
足関節外側靱帯損傷の治療で正しいのはどれか。
選択肢
1 II度損傷では約5週の固定が必要である。
2 Ⅲ度損傷では約8週の固定が必要である。
3 後療法では腓骨筋群の強化を図る。
4 足趾の運動は固定除去後に行う。
解答
正解3(後療法では腓骨筋群の強化を図る。)
解説

正しいのは3です。腓骨筋群(長腓骨筋・短腓骨筋)は足部を外がえしする筋で、内がえしストレスに対する動的なブレーキとして働くため、後療法の柱になります。

足関節外側靱帯は前距腓靱帯・踵腓靱帯・後距腓靱帯からなり、内がえし+底屈の強制で前距腓靱帯から損傷されます。固定期間は損傷の程度で決まり、I度(伸張・微小損傷)は数日〜1週の局所安静やテーピング、II度(部分断裂)は約2〜3週、III度(完全断裂)は約4〜6週が目安です。固定中も足趾の自動運動や大腿四頭筋の等尺性収縮など、固定部位以外の運動は早期から行い、腫脹の軽減と筋萎縮・拘縮の予防を図ります。固定除去後は、ゴムバンドを用いた外がえし抵抗運動で腓骨筋群を強化し、片脚立位やバランスボードによる固有受容感覚訓練を組み合わせます。この2つが慢性足関節不安定症と再受傷の予防に直結します。

✓ 3. 正しい
後療法では腓骨筋群の強化を図る。
損傷した靱帯(静的支持)の機能低下を、外がえし筋である腓骨筋群(動的支持)で補います。内がえしが入りそうな瞬間に腓骨筋が素早く働けば、靱帯にかかるストレスを減らせます。反応速度も鍛えるため、筋力強化に固有受容感覚訓練を必ず併用します。
✗ 1. 誤り
II度損傷では約5週の固定が必要である。
期間が長すぎます。部分断裂であるII度は約2〜3週の固定が目安です。必要以上に固定を延ばすと、関節拘縮・筋萎縮・固有受容感覚の低下が進み、かえって再受傷しやすい足首になります。
✗ 2. 誤り
Ⅲ度損傷では約8週の固定が必要である。
こちらも長すぎます。完全断裂のIII度でも約4〜6週が目安です。不安定性が強い例では固定期間の判断や手術適応の検討が必要になるため、ストレステストで著明な動揺があれば医師の評価を仰ぎます。
✗ 4. 誤り
足趾の運動は固定除去後に行う。
順序が逆です。足趾の自動運動は固定した直後から始めます。筋ポンプが働いて腫脹が引きやすくなり、足趾の拘縮や下腿筋の萎縮も防げます。固定範囲の外は積極的に動かす、が原則です。
ポイント
  • 受傷機転は内がえし+底屈。前距腓靱帯が最も損傷されやすい。
  • 固定期間の目安:I度=数日〜1週、II度=約2〜3週III度=約4〜6週
  • 固定中から足趾の自動運動・大腿四頭筋の等尺性収縮を行う(腫脹軽減・筋萎縮予防)。
  • 後療法の柱は腓骨筋群の強化+固有受容感覚(バランス)訓練。再受傷予防のセットで覚える。
  • 評価は前方引き出しテスト・内反ストレステスト。著明な動揺や骨折を疑う所見(外果先端・第5中足骨基部の限局性圧痛、荷重不能)があれば医師へ。
比較表
損傷度病態不安定性固定期間の目安
I度靱帯の伸張・微小損傷なし数日〜1週(テーピング等)
II度部分断裂軽度〜中等度約2〜3週
III度完全断裂著明約4〜6週
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