学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §27 膝関節十字靱帯損傷の診察 / QJ34A030

理由で解く 柔道整復師

QJ34A030 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問30
問題
前十字靱帯損傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 非接触型は若年女性に多い。
2 急性期では関節水症による腫脹が著明である。
3 骨挫傷の結果生じる。
4 確定診断には単純エックス線写真が必要である。
解答
正解1(非接触型は若年女性に多い。)
解説

前十字靱帯損傷のうち非接触型は、ジャンプ着地や急な方向転換で起こり、若年女性に多いことが知られている。

前十字靱帯(ACL)損傷は、相手との接触で受傷する接触型と、自分の動作だけで受傷する非接触型に分けられる。非接触型は着地・急停止・カッティングの際に膝が外反し、下腿が外旋する肢位(いわゆるknee-in toe-out)で発生しやすい。若年女性でこの型の発生率が高いのは、下肢のアライメント、大腿四頭筋優位で膝屈筋の働きが相対的に弱い筋活動パターン、着地動作の癖、ホルモン環境などが関与するとされる。受傷時にはポップ音を自覚し、数時間以内に関節血症で腫脹する。確定診断はMRIで行い、単純エックス線写真は裂離骨折など骨性病変の確認に用いる。柔道整復の現場では初期固定と免荷を行い、速やかに医師の診察につなぐ。

✓ 1. 正しい
非接触型は若年女性に多い。
着地やカッティングで膝が外反・下腿外旋する肢位をとりやすいこと、筋活動パターンやアライメントの特性が背景にある。予防としては着地動作の指導とハムストリングスの強化が有効とされる。
✗ 2. 誤り
急性期では関節水症による腫脹が著明である。
急性期に貯まるのは血液で、関節血症である。受傷後数時間以内に急速に腫脹するのが特徴で、穿刺で血性であればACL損傷や骨軟骨骨折を疑う根拠になる。関節液が主体になるのは経過が進んでからのこと。
✗ 3. 誤り
骨挫傷の結果生じる。
順序が逆。靱帯が断裂する際に大腿骨外側顆と脛骨後外側部が衝突し、その結果として骨挫傷が生じる。MRIで見られる骨挫傷像は、受傷機転を裏づける所見として利用される。
✗ 4. 誤り
確定診断には単純エックス線写真が必要である。
靱帯は単純エックス線写真には写らないため、確定診断はMRI(必要に応じて関節鏡)による。エックス線は脛骨顆間隆起の裂離骨折やSegond骨折など、骨性病変の有無を確認する目的で撮影される。
ポイント
  • 非接触型ACL損傷は着地・急停止・方向転換時の膝外反+下腿外旋で発生し、若年女性に多い
  • 受傷時のポップ音と、数時間以内に生じる関節血症が特徴
  • 骨挫傷は原因ではなく、断裂時の骨の衝突による結果
  • 確定診断はMRI。エックス線は裂離骨折など骨性病変の確認に用いる
  • 疑ったら固定・免荷のうえ医師の診察につなぎ、予防指導として着地動作の修正とハムストリングス強化を伝える
比較表
関節血症関節水症
貯留物血液関節液
出現までの時間受傷後数時間以内と急速数日かけて緩徐
示唆する病態前十字靱帯損傷、骨軟骨骨折、関節内骨折関節への反復刺激、変性、滑膜炎
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