学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §27 膝関節十字靱帯損傷の診察 / QJ33A031

理由で解く 柔道整復師

QJ33A031 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問31
問題
膝関節 90度屈曲位から下腿内旋、膝関節外反のストレスをかけながら膝関節を伸展させて、膝関節 15~30度付近で脛骨の前方への亜脱臼を確認するのはどれか。
選択肢
1 ピボットシフトテスト
2 ラックマンテスト
3 ブラガードテスト
4 Nテスト
解答
正解4(Nテスト)
解説

「屈曲位から伸展させていき、15〜30度付近で脛骨が前方へ亜脱臼する」という向きが決め手です。これはNテストの手順にあたります。

前十字靱帯が破綻すると、膝がほぼ伸びた位置では脛骨が前方へずれ、屈曲していくと腸脛靱帯の走行が変わって脛骨が後方へ戻る(整復される)という現象が起こります。この「ずれ」と「戻り」のどちらを捉えるかで検査名が変わります。ピボットシフトテストは伸展位から外反・内旋を加えつつ屈曲していき、20〜30度付近で亜脱臼が整復されるガクッという動きを触知します。これに対しNテストは、90度屈曲位から下腿内旋・外反を加えたまま伸展させていき、15〜30度付近で脛骨が前方へ亜脱臼する瞬間を捉えます。設問文は「90度屈曲位から…伸展させて」と明記されているため、後者です。いずれも回旋不安定性を評価する動的検査で、疼痛や筋防御があると陽性所見が出にくいため、急性期は無理に反復せず、ラックマンテストなど負担の少ない方法と組み合わせます。

✓ 4. 正しい
Nテスト
屈曲位から伸展させる方向で行い、伸展の途中(15〜30度付近)で脛骨が前方へ亜脱臼する現象を確認します。設問の手順と操作方向が完全に一致します。
✗ 1. 誤り
ピボットシフトテスト
同じ回旋不安定性をみる検査ですが、伸展位から外反・内旋を加えつつ屈曲していく点が逆です。捉えるのは亜脱臼が「整復される」瞬間で、設問の「伸展させて亜脱臼を確認する」とは向きが合いません。
✗ 2. 誤り
ラックマンテスト
膝を20〜30度屈曲位に保ち、大腿を固定して脛骨を前方に引き出す検査です。回旋や伸展の動きを伴わない静的な前方動揺性の評価で、設問の手順とは異なります。
✗ 3. 誤り
ブラガードテスト
下肢伸展挙上に足関節背屈を加えて坐骨神経症状を誘発する検査で、腰椎椎間板ヘルニアなどの神経根症状を評価するものです。膝の靱帯検査ではありません。
ポイント
  • ACLの回旋不安定性は「亜脱臼と整復」の向きで検査名が決まる。
  • Nテスト=屈曲位→伸展。伸展15〜30度付近で前方亜脱臼を確認。
  • ピボットシフトテスト=伸展位→屈曲。20〜30度付近で整復される感触。
  • ラックマンテスト=屈曲20〜30度で脛骨を前方に引き出す静的検査。
  • ブラガードテストは坐骨神経症状の検査。膝とは無関係。
比較表
検査操作の向き捉える現象
Nテスト屈曲90度 → 伸展15〜30度で脛骨が前方へ亜脱臼
ピボットシフトテスト伸展位 → 屈曲20〜30度で亜脱臼が整復される
ラックマンテスト屈曲20〜30度で静止脛骨の前方引き出し量と終末点
ブラガードテストSLR+足関節背屈坐骨神経症状の誘発
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。