学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §23 肩腱板損傷の診察 / QJ34A024

理由で解く 柔道整復師

QJ34A024 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問24
問題
肩腱板損傷の検査はどれか。
選択肢
1 スピードテスト
2 サルカス徴候
3 クレビタス
4 ヤーガソンテスト
解答
正解3(クレビタス)
解説

選択肢のうち肩腱板損傷を示唆するのは、肩を他動的に回旋させたときに肩峰下で触れる軋轢音(クレピタス)である。

腱板が断裂すると、断裂縁や肥厚した肩峰下滑液包が肩峰の下を通過するたびに引っかかり、ゴリゴリ・ザラザラという轢音として手に伝わる。腱板損傷の評価はこの所見だけでは足りず、大結節部の圧痛、有痛弧徴候、ドロップアームテスト、インピンジメント徴候、各腱板筋の筋力テストを組み合わせて総合的に判断する。一方、スピードテストとヤーガソンテストはどちらも上腕二頭筋長頭腱の障害をみる検査、サルカス徴候は肩関節下方への動揺性をみる検査であり、評価している構造が違う。検査名を覚えるときは「どの組織を、どの動きで、どう刺激するのか」をセットで整理すると混同しない。

✓ 3. 正しい
クレビタス
クレピタス(軋轢音)のこと。肩に手を当てながら他動的に回旋・挙上させると、断裂縁が肩峰下を通るときに轢音として触知される。腱板損傷の代表的な他覚所見。
✗ 1. 誤り
スピードテスト
肘伸展・前腕回外位で肩関節屈曲に抵抗を加え、結節間溝部の疼痛をみる検査。評価対象は上腕二頭筋長頭腱。
✗ 2. 誤り
サルカス徴候
上腕を下方に牽引したとき肩峰の下に溝(sulcus)ができる所見で、肩関節下方への不安定性(動揺肩)を示す。腱板の断裂を示す所見ではない。
✗ 4. 誤り
ヤーガソンテスト
肘90°屈曲位で前腕回外に抵抗を加え、結節間溝部の疼痛をみる検査。スピードテストと同じく上腕二頭筋長頭腱が対象。
ポイント
  • クレピタス(軋轢音)は断裂縁や肥厚した滑液包が肩峰下を通るときに生じる腱板損傷の所見
  • 腱板損傷では大結節部の圧痛・有痛弧徴候・ドロップアームテスト・インピンジメント徴候も併せて評価する
  • スピードテスト、ヤーガソンテストはいずれも上腕二頭筋長頭腱の検査
  • サルカス徴候は肩関節下方の不安定性(動揺肩)をみる
  • 検査名は「対象組織+誘発する動き」で覚えると混同しない
比較表
検査・所見方法の要点評価する構造
クレピタス(軋轢音)肩に手を当て他動的に回旋・挙上腱板・肩峰下滑液包
スピードテスト肘伸展・前腕回外位で肩屈曲に抵抗上腕二頭筋長頭腱
ヤーガソンテスト肘90°屈曲位で前腕回外に抵抗上腕二頭筋長頭腱
サルカス徴候上腕を下方へ牽引し肩峰下の溝をみる肩関節下方の安定性(動揺肩)
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