学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §23 肩腱板損傷の診察 / QJ34A023

理由で解く 柔道整復師

QJ34A023 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問23
問題
棘上筋腱不全断裂の疼痛部位はどれか。
選択肢
1 大結節部
2 小結節部
3 結節間溝部
4 肩甲棘上窩部
解答
正解1(大結節部)
解説

棘上筋は上腕骨大結節に停止するため、その腱の不全断裂では大結節部に疼痛・圧痛が出る。

棘上筋腱は肩峰と大結節の間の狭い隙間を通って走り、肩の外転時に肩峰下でこすられやすい。停止部の手前1〜2cmは血行に乏しい部位(critical zone)で変性が起こりやすく、腱板損傷の好発部位となる。したがって痛みは腱の走行と停止部、すなわち大結節部に限局する。外転60〜120°で痛みが強くなる有痛弧徴候、肩峰下の軋轢音、夜間痛などを伴うことが多い。不全断裂では自動外転が保たれることもあるため、圧痛部位と各腱板筋の筋力テストを組み合わせて評価し、断裂が疑われれば画像診断のできる医療機関へ紹介する。

✓ 1. 正しい
大結節部
棘上筋の停止部。腱の変性・断裂が起こる部位そのものなので、限局した圧痛が得られる。
✗ 2. 誤り
小結節部
小結節は肩甲下筋の停止部。ここの圧痛は肩甲下筋腱の損傷を示唆し、リフトオフテストなどで確認する。
✗ 3. 誤り
結節間溝部
大結節と小結節の間の溝で、上腕二頭筋長頭腱が走る。ここの圧痛はヤーガソンテストやスピードテストが陽性となる長頭腱の障害を示唆する。
✗ 4. 誤り
肩甲棘上窩部
棘上筋の起始と筋腹がある部位。腱の断裂部からは離れており、疼痛の中心にはならない。陳旧例では棘上窩の筋萎縮による陥凹を視診できることがあるが、これは疼痛部位ではなく経過の所見。
ポイント
  • 棘上筋の停止は大結節。疼痛・圧痛も大結節部に出る
  • 停止部手前のcritical zoneは血行に乏しく、変性・断裂の好発部位
  • 有痛弧徴候(外転60〜120°の疼痛)、夜間痛、肩峰下の軋轢音を伴いやすい
  • 小結節は肩甲下筋、結節間溝は上腕二頭筋長頭腱の部位として区別する
  • 断裂が疑われれば固定・安静を指示し、画像診断のできる医療機関へ紹介する
比較表
停止部主な作用代表的な検査
棘上筋大結節(上面)外転有痛弧徴候、ドロップアームテスト
棘下筋大結節(中面)外旋外旋筋力テスト
小円筋大結節(下面)外旋外転位での外旋筋力テスト
肩甲下筋小結節内旋リフトオフテスト
上腕二頭筋長頭腱(結節間溝を走行)肩屈曲・前腕回外の補助ヤーガソンテスト、スピードテスト
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