学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §20 肘関節後方脱臼の固定 / QJ34A021

理由で解く 柔道整復師

QJ34A021 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問21
問題
肘関節後方脱臼の固定肢位で正しいのはどれか。
選択肢
1 肩関節外旋位、前腕中間位
2 肩関節外旋位、前腕回外位
3 肩関節内旋位、前腕中間位
4 肩関節内旋位、前腕回外位
解答
正解3(肩関節内旋位、前腕中間位)
解説

肘関節後方脱臼の整復後は、肘関節を90°前後の屈曲位、前腕は回内も回外もしない中間位で固定する。その上肢を三角巾で胸壁に沿わせて提肘するので、肩関節は内旋位になる。

後方脱臼では前方関節包・側副靱帯・上腕筋が損傷しており、肘を伸展方向へ戻すと尺骨鉤状突起が滑車から外れて再転位しやすい。そこで肘は屈曲位に保ち、損傷した前方の組織を緩めた状態で治癒させる。前腕中間位は回内・回外のいずれにも移行しやすい機能肢位であり、上橈尺関節や骨間膜にも無理がかからない。回外位で固定すると機能肢位から外れ、固定除去後に回内制限を残しやすい。固定は上腕近位部から手関節部までを含め、その上肢を体幹に沿わせて吊るため肩は自然に内旋位となる。固定中は末梢の循環・知覚を確認し、他動的な強い伸展運動は骨化性筋炎の誘因になるので避け、自動運動から後療法を進める。

✓ 3. 正しい
肩関節内旋位、前腕中間位
三角巾で提肘した肢位そのもの。前腕中間位は回内・回外どちらにも移行しやすい機能肢位で上橈尺関節・骨間膜に無理がかからず、肩内旋位は上肢を体幹に沿わせて保持できるため、日常生活でも固定を保ちやすい。
✗ 1. 誤り
肩関節外旋位、前腕中間位
前腕中間位は適切だが、肩を外旋位に保つと上肢を体幹から離す形になり、三角巾での提肘ができない。保持もしにくく、固定肢位として現実的でない。
✗ 2. 誤り
肩関節外旋位、前腕回外位
肩外旋位・前腕回外位のいずれも不適。回外位は機能肢位から外れ、上橈尺関節や骨間膜にも無理がかかるため固定肢位として選ばない。
✗ 4. 誤り
肩関節内旋位、前腕回外位
肩関節内旋位は正しいが、前腕回外位が誤り。回外位固定は上橈尺関節に負担がかかり、前腕の回内制限を残しやすい。
ポイント
  • 整復後の固定は肘関節90°前後の屈曲位・前腕中間位が基本
  • 前腕中間位は回内・回外いずれにも移行しやすい機能肢位。回外位固定は回内制限を残しやすく避ける
  • 三角巾で提肘する結果、肩関節は内旋位になる
  • 固定範囲は上腕近位部から手関節部まで、固定期間は概ね3週間が目安
  • 後療法は自動運動から。強い他動伸展は骨化性筋炎の誘因になるため行わない
比較表
部位固定肢位理由
肩関節内旋位三角巾で提肘し、上肢を体幹に沿わせて保持するため
肘関節90°前後の屈曲位損傷した前方関節包を緩め、後方への再転位を防ぐ
前腕中間位回内・回外いずれにも移行しやすい機能肢位で、上橈尺関節・骨間膜に無理がかからない
固定範囲上腕近位部〜手関節部肘の回旋・伸展を確実に制動するため
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