学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §21 肘内障の診察および整復 / QJ24A028

理由で解く 柔道整復師

QJ24A028 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問28
問題
肘内障で正しいのはどれか。
選択肢
1 手掌を衝いて転倒した際に発生する。
2 患側の前腕を回外位で下垂する。
3 単純エックス線像で橈骨頭の前方脱臼がみられる。
4 前腕の回内・回外自動運動で整復確認を行う。
解答
正解4(前腕の回内・回外自動運動で整復確認を行う。)
解説

肘内障は橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼した状態です。整復できたかどうかは、痛みが消えて患児が自分から前腕を回内・回外し、腕を使い始めることで確認します。

おおむね1〜4歳の小児で、手や前腕を急に引っ張られたとき(手を引かれて転びそうになった、腕を持って持ち上げたなど)に、まだ緩い輪状靱帯から橈骨頭が抜けかかり、靱帯が腕橈関節に挟み込まれて起こります。患児は肘を軽度屈曲・前腕回内位のまま腕を下げて使わず、泣きますが腫脹や変形は目立たず、単純エックス線でも明らかな異常を認めないのが特徴です。整復は橈骨頭に母指を当て、前腕を回外(または回内)させながら肘を屈曲していき、クリックを感じ取ります。整復後は数分で自分から腕を使い始めます。腫脹・変形・強い限局性圧痛があるとき、あるいは転倒や直達外力が機転のときは骨折を考え、医師の診察を勧めます。

✓ 4. 正しい
前腕の回内・回外自動運動で整復確認を行う。
術者が動かせるかどうかではなく、患児が自分で前腕を回し、万歳をしたりおもちゃを取ったりできることが最も確実な指標です。しばらく様子をみて自動運動が戻らなければ、整復されていない可能性や他の外傷を考えて医師へつなぎます。
✗ 1. 誤り
手掌を衝いて転倒した際に発生する。
肘内障は前腕・手を引っ張られる牽引力で起こります。手掌を衝いて転倒する機転は、橈骨遠位端骨折・上腕骨顆上骨折・肘関節後方脱臼などで問われるものです。
✗ 2. 誤り
患側の前腕を回外位で下垂する。
下垂するのは前腕回内位です。回外させようとすると痛がるのも特徴で、この肢位そのものが診断の手がかりになります。
✗ 3. 誤り
単純エックス線像で橈骨頭の前方脱臼がみられる。
肘内障ではエックス線で明らかな異常を認めません。橈骨頭の前方脱臼に尺骨骨幹部骨折を伴うのはモンテギア(モンテジア)骨折です。エックス線は骨折を除外する目的で有用と覚えます。
ポイント
  • 好発は1〜4歳ころ。機序は手・前腕の牽引で、転倒による直達外力ではない。
  • 肘軽度屈曲・前腕回内位で下垂し、腫脹・変形・限局性圧痛は目立たない。
  • 単純エックス線では異常なし。異常があるなら骨折・脱臼を考える。
  • 整復確認は自動運動(前腕の回内・回外、上肢の挙上)の回復で行う。
  • 再発しやすいので、腕を引っ張り上げない介助の仕方を保護者に具体的に伝える。
比較表
項目肘内障モンテギア骨折上腕骨顆上骨折
機序手・前腕の牽引前腕への直達・介達外力手掌を衝いての転倒
外観腫脹・変形なし、回内位で下垂前腕の腫脹・変形肘部の高度な腫脹・変形
エックス線異常なし尺骨骨折+橈骨頭前方脱臼顆上部の骨折線
対応整復し自動運動で確認固定して医師へ循環・神経を確認し医師へ
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