学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §20 肘関節後方脱臼の固定 / QJ31A020

理由で解く 柔道整復師

QJ31A020 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問20
問題
肘関節後方脱臼に対する肘関節の固定肢位はどれか。
選択肢
1 伸展位
2 45度屈曲位
3 90度屈曲位
4 120度屈曲位
解答
正解3(90度屈曲位)
解説

肘関節後方脱臼の整復後は、肘関節90度屈曲位・前腕回内外中間位で固定する。

肘関節後方脱臼は、肘の過伸展と軸圧により前腕が後方へ逸脱するもので、前方関節包や側副靱帯が損傷する。整復後は再脱臼肢位である伸展を避け、関節面が最も安定し、損傷した前方組織が緩む90度屈曲位に保持する。前腕は回内外中間位とし、副子と三角巾で固定する。屈曲を強くしすぎる鋭角屈曲位は、腫脹が加わると前腕の循環障害を招きVolkmann拘縮の危険があるため避ける。固定中は手指の自動運動を続けさせ、橈骨動脈拍動・手指の色調・しびれを確認する。固定期間はおおむね2〜3週を目安とし、除去後は自動運動を中心に可動域を回復させる。他動的に強く伸展させる操作は骨化性筋炎の誘因となるため行わない。

✓ 3. 正しい
90度屈曲位
関節の安定性が得られ、損傷した前方関節包が緩む肢位。腫脹による循環障害の危険も少ない。
✗ 1. 誤り
伸展位
受傷肢位そのもので再脱臼の危険が高く、損傷した前方組織も伸張されてしまう。
✗ 2. 誤り
45度屈曲位
屈曲が不十分で、鉤状突起による後方への制動が働きにくく安定性に欠ける。
✗ 4. 誤り
120度屈曲位
鋭角屈曲位は腫脹が加わると前腕の循環障害を招き、Volkmann拘縮の危険がある。
ポイント
  • 受傷機序は肘の過伸展・軸圧。前方関節包・側副靱帯が損傷する。
  • 整復後の固定は肘関節90度屈曲位、前腕は回内外中間位。
  • 伸展位は再脱臼肢位、鋭角屈曲位は循環障害(Volkmann拘縮)の危険。
  • 固定期間はおおむね2〜3週。固定中も手指の自動運動を継続する。
  • 固定除去後は自動運動中心に進め、強い他動伸展は骨化性筋炎の誘因となるため行わない。
比較表
固定肢位安定性主なリスク
伸展位不良再脱臼、前方組織の伸張
45度屈曲位やや不良後方への制動が不十分
90度屈曲位良好特になし(推奨肢位)
120度屈曲位良好だが過度腫脹に伴う循環障害・Volkmann拘縮
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