学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §18 肩関節烏口下脱臼の固定 / QJ34A019

理由で解く 柔道整復師

QJ34A019 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問19
問題
肩関節烏口下脱臼の固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 固定期間は6週とする。
2 肘部に枕子を当てる。
3 鎖骨上神経の感覚障害に注意する。
4 麦穂帯で上腕を体幹に固定する。
解答
正解4(麦穂帯で上腕を体幹に固定する。)
解説

肩関節烏口下脱臼の整復後は、上腕を体幹に引き寄せた肢位を保つために麦穂帯(スパイカ包帯)で上腕を体幹に固定します。正しいのは4です。

整復後の固定の目的は、再脱臼を防ぎ、損傷した関節包・関節唇が治癒する環境をつくることです。骨頭が前下方へ逸脱した脱臼なので、逸脱方向と逆になる肩関節軽度屈曲・内転・内旋位、肘関節90度屈曲位で保持します。腋窩には枕子(綿花枕)を入れて上腕と体幹の間の適合をよくし、皮膚同士の接触による汗疹・びらんを防ぎます。そのうえで麦穂帯(肩のスパイカ包帯)やデゾー包帯で上腕を体幹に固定し、前腕は三角巾で吊ります。固定期間はおおむね3〜4週で、若年の初回例では反復性への移行を防ぐため必要な期間を確保します。固定中は腋窩神経障害の有無(三角筋の収縮と肩外側部の感覚)と末梢循環を確認し、手指・手関節・肘の運動を続けて拘縮を防ぎます。

✓ 4. 正しい
麦穂帯で上腕を体幹に固定する。
麦穂帯(スパイカ包帯)は肩から上腕を体幹に密着させて保持できるため、内転・内旋位を保ち再脱臼を防ぐ固定として適しています。
✗ 1. 誤り
固定期間は6週とする。
固定はおおむね3〜4週が目安です。6週まで続けると肩関節の拘縮や筋萎縮が進みやすく、その後の可動域回復に時間がかかります。
✗ 2. 誤り
肘部に枕子を当てる。
枕子を入れるのは腋窩です。上腕と体幹の間に適度な間隙をつくって適合をよくし、皮膚障害を防ぐ目的があります。肘部ではその役割を果たしません。
✗ 3. 誤り
鎖骨上神経の感覚障害に注意する。
この脱臼で注意すべきは腋窩神経で、三角筋の収縮と肩外側部の感覚を確認します。鎖骨上神経は頸神経叢の枝で鎖骨周囲の皮膚を支配し、本症で問題になる神経ではありません。
ポイント
  • 固定肢位は肩関節軽度屈曲・内転・内旋位、肘関節90度屈曲位。
  • 腋窩に枕子を入れ、麦穂帯(スパイカ包帯)やデゾー包帯で上腕を体幹に固定し、前腕は三角巾で吊る。
  • 固定期間はおおむね3〜4週。若年初回例では反復性予防のため必要な期間を確保する。
  • 腋窩神経障害の確認=三角筋の収縮+肩外側部の感覚。
  • 固定中も手指・手関節・肘の運動を行い、除去後は段階的に可動域訓練へ進める。
比較表
項目正しい内容誤りやすい内容
固定期間おおむね3〜4週6週
枕子の位置腋窩肘部
注意する神経腋窩神経(三角筋・肩外側の感覚)鎖骨上神経
固定法麦穂帯で上腕を体幹に固定+三角巾
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