学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §17 肩関節烏口下脱臼の診察および整復 / QJ34A018
理由で解く 柔道整復師
スティムソン(Stimson)法は、腹臥位で患肢を下垂させ、上肢の自重と重錘による持続牽引で筋の攣縮がゆるむのを待つ整復法です。重錘の重さは本邦の成書で約10kgとされ、本問の正答もこれです。
患者を診察台の上で腹臥位にし、患側上肢を台の縁から垂らして、手関節部にバンドなどで重錘を装着します。重力方向の一定した牽引が続くと、三角筋・大胸筋・肩甲下筋などの防御性収縮が徐々に弱まり、骨頭が自然に関節窩へ戻ります。牽引は時間を区切って評価するのが原則で、10〜20分程度でいったん整復の有無を確認し、得られなければ肩甲骨を内方へ押すなどの補助操作を加えるか、他の方法へ切り替えます。てこの原理を使わないため、腋窩神経損傷や関節唇・骨への追加損傷が起こりにくいのが最大の利点です。重要なのは「牽引の一定性」と「患者の脱力」で、この2つが崩れると整復されません。
| 整復法 | 原理 | 体位・要点 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| スティムソン法 | 自重+重錘の持続牽引で筋弛緩を待つ | 腹臥位・患肢下垂、約10kgを手関節に、時間を区切って評価 | 患者を脱力させる。牽引中は動かさない |
| ヒポクラテス法 | 牽引+踵を支点にしたてこ | 背臥位、術者の踵を腋窩に当て長軸牽引 | 腋窩の神経・血管を圧迫しうる |
| コッヘル法 | 外旋→内転→内旋の回旋てこ | 屈曲位で段階的に操作 | 骨折を合併した例では危険 |
| ゼロポジション牽引法 | 肩甲棘と上腕骨長軸を一致させ筋の張力を最小化 | 約150°挙上位で長軸牽引 | 牽引方向の設定精度が要る |
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