学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §15 肩鎖関節上方脱臼の診察および整復 / QJ34A015

理由で解く 柔道整復師

QJ34A015 必修問題

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問15
問題
肩鎖関節上方脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 高齢者に多い。
2 鎖骨近位端が突出する。
3 肩関節の外転が制限される。
4 頸神経叢の損傷を合併する。
解答
正解3(肩関節の外転が制限される。)
解説

肩鎖関節上方脱臼では、肩鎖関節部の疼痛と不安定性のために肩関節の外転・挙上が制限されます。正しいのは3です。

肩鎖関節上方脱臼は、転倒やスポーツで肩の外側から直達外力を受けて生じ、青壮年の男性に多い外傷です。肩鎖靱帯、さらに程度が強ければ烏口鎖骨靱帯(円錐靱帯・菱形靱帯)が損傷し、鎖骨遠位端が相対的に上方へ突出します。突出部を上から押すと戻り、離すとまた突出するピアノキーサインが特徴的な所見です。上肢を挙げる動作では肩甲骨の回旋に伴って鎖骨も動くため、外転や挙上、水平内転で疼痛が誘発され可動域が制限されます。神経・血管の合併損傷はまれで、鎖骨骨折との鑑別は突出している部位、圧痛点の位置、ピアノキーサインの有無で行い、判断に迷う場合や高度の転位がある場合は医師に紹介して画像評価を受けます。

✓ 3. 正しい
肩関節の外転が制限される。
肩甲骨の上方回旋に鎖骨の動きが連動するため、外転・挙上時に損傷した肩鎖関節へ負荷がかかり、疼痛によって可動域が制限されます。
✗ 1. 誤り
高齢者に多い。
好発するのはスポーツ活動や転倒の機会が多い青壮年です。高齢者では同じ外力で鎖骨骨折や上腕骨近位端骨折を生じやすくなります。
✗ 2. 誤り
鎖骨近位端が突出する。
突出するのは肩峰と関節をつくる鎖骨の遠位端(外端)です。近位端(胸骨端)の突出は胸鎖関節脱臼の所見であり、部位が異なります。
✗ 4. 誤り
頸神経叢の損傷を合併する。
肩鎖関節上方脱臼で神経損傷を合併することはまれです。損傷の中心は肩鎖靱帯と烏口鎖骨靱帯という局所の靱帯です。
ポイント
  • 好発は青壮年。肩外側への直達外力(転倒・スポーツ)で受傷する。
  • 損傷するのは肩鎖靱帯、程度が強ければ烏口鎖骨靱帯(円錐靱帯・菱形靱帯)。
  • 鎖骨遠位端が上方へ突出し、押すと戻り離すと再突出するピアノキーサインを認める。
  • 外転・挙上・水平内転で疼痛が誘発され、可動域が制限される。
  • 神経・血管損傷の合併はまれ。転位が高度なら医師に紹介し画像評価を受ける。
比較表
項目肩鎖関節上方脱臼鎖骨遠位端骨折
突出部位鎖骨遠位端(肩鎖関節部)骨折部の近位骨片
ピアノキーサイン認める典型的ではない
圧痛点肩鎖関節上骨折線上
骨軋轢音・異常可動性なしあり
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