学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ33P122
理由で解く 柔道整復師

練習量の増加に伴ってランニング後にアキレス腱部が痛むという、典型的な使いすぎによるアキレス腱症です。超音波の長軸像で確認される所見は腱の肥厚になります。
アキレス腱は下腿三頭筋の力を踵骨へ伝える人体最大の腱で、走行時には体重の数倍の張力を受けます。練習量が急に増えると、腱に加わる負荷が修復の速度を上回り、腱の実質にコラーゲン線維の配列の乱れ、基質の増加、微小な断裂と修復の繰り返しが生じます。これは急性の炎症というより変性の要素が強く、腱症(tendinopathy)と呼ばれます。その結果、腱は紡錘状に膨らみ、超音波の長軸像では健側と比べて腱の厚みが増し、内部の平行に走る線状の構造(フィブリラーパターン)が不明瞭になって低エコー域として描出されます。ドプラを併用すると腱内に新生血管が確認されることもあります。したがって、この病態でまず見るべき所見は「腱の肥厚」です。超音波を用いる際は必ず健側と左右比較すること、長軸と短軸の両方で観察することが基本になります。対応としては、練習量を一度落として腱への負荷を調整し、下腿三頭筋の柔軟性改善と足関節背屈可動域の確保、シューズや路面などの環境要因の見直し、そして段階的な負荷の再構築を組み合わせます。
| アキレス腱症(本例) | アキレス腱断裂 | |
|---|---|---|
| 発症 | 練習量増加後、徐々に | ダッシュ・ジャンプの瞬間に突然 |
| 自覚 | 運動後の痛み、朝の動かし始めのこわばり | 蹴られたような衝撃、断裂音 |
| 触診 | 腱の紡錘状の腫れと圧痛 | 腱の陥凹を触知 |
| トンプソンテスト | 陰性 | 陽性(足関節が底屈しない) |
| 超音波所見 | 腱の肥厚、内部低エコー、線維配列の乱れ | 腱の連続性の途絶、断端間の血腫 |
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