学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ33P118

理由で解く 柔道整復師

QJ33P118 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問118
問題
35歳の男性。ラグビーでタックルを右側から受け右膝痛を自覚したため、すぐに来所した。右膝内側に皮下出血がみられ、膝関節の不安感を訴えている。考えられない損傷靱帯はどれか。
選択肢
1 ACL
2 LCL
3 MCL
4 PCL
解答
正解2(LCL)
解説

右側から受けたタックルは右膝を外反させる力になり、緊張して損傷するのは内側の支持組織である。内側から引き伸ばす力を受けないLCLは考えにくく、答えは2である。

膝の靱帯損傷は「外力の向き」と「その向きで引き伸ばされる靱帯」を結び付けて考えると整理できる。外側から内側へ向かう力は膝を外反させ、内側側副靱帯(MCL)を引き伸ばす。右膝内側の皮下出血はこの部位の損傷を裏づける所見といえる。強い外反に回旋が加われば前十字靱帯(ACL)や内側半月も同時に損傷し、いわゆる不幸の三徴となる。外力がさらに強い複合損傷では後十字靱帯(PCL)にまで及ぶことがある。一方、外側側副靱帯(LCL)が緊張するのは内反(内側から外側へ向かう力)であり、本例の受傷機転では引き伸ばされない。膝崩れの不安感があるため、圧痛部位と不安定性を丁寧に評価し、画像診断のため医療機関へつなぐ。

✗ 1. 損傷しうる(答えではない)
ACL
外反に回旋が加わるとMCL・内側半月とともに損傷し、不幸の三徴を形成する。膝崩れの不安感の原因にもなるため、本例で十分考えられる。
✓ 2. これが答え(この受傷機転では考えにくい)
LCL
LCLは内反が強制されたときに緊張して損傷する靱帯である。外側から力を受けて外反が強制された本例では引き伸ばされないため、損傷は考えにくい。
✗ 3. 損傷しうる(答えではない)
MCL
外反強制で最初に緊張する靱帯であり、右膝内側の皮下出血という所見とも一致する。本例で最も考えられる損傷である。
✗ 4. 損傷しうる(答えではない)
PCL
外力が大きい複合損傷では後十字靱帯にまで損傷が及ぶことがある。単独損傷の典型機転ではないが、可能性として排除できない。
ポイント
  • 膝靱帯損傷は「外力の向き」→「引き伸ばされる靱帯」で判断する。
  • 外側からの外力=外反強制 → MCL(+ACL、内側半月=不幸の三徴)。
  • 内側からの外力=内反強制 → LCL・後外側支持機構。本例では該当しない。
  • 強い複合損傷ではPCLまで及ぶことがあるため、可能性としては残る。
  • 膝崩れの不安感がある場合は圧痛部位と不安定性を評価し、画像診断のため医療機関へつなぐ。
比較表
外力の向き・機転強制される動き主に損傷する靱帯
膝の外側から内側へ外反MCL(+ACL・内側半月=不幸の三徴)
膝の内側から外側へ内反LCL・後外側支持機構
脛骨近位前面への打撲脛骨の後方移動PCL
急停止・方向転換・過伸展回旋・前方移動ACL
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