学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ33P115
理由で解く 柔道整復師
母指が橈側へ開く方向(橈側外転)に強制され、つまみ動作が困難で動揺性が残る──母指MP関節尺側側副靱帯損傷(いわゆるスキーヤー母指・ゲームキーパー母指)の典型像です。この設問は「誤っているのはどれか」なので、圧痛部位をCM関節橈側とする1が答えになります。
母指MP関節の尺側側副靱帯は、母指が橈側へ開かれる力に対する主たる(一次的な)制動装置で、副側副靱帯・掌側板・母指内転筋腱膜がこれを補助しています。ボールが母指に当たって橈側外転が強制されると、まず主役である固有尺側側副靱帯が引き伸ばされて損傷します。母指の尺側側副靱帯はつまみ(ピンチ)動作の支点を安定させているため、切れると「物が持ちにくい」という訴えになります。完全断裂では、断裂した靱帯断端が母指内転筋腱膜の上に乗り上げて骨に戻れなくなるStener損傷を生じることがあり、この状態では固定しても癒合しません。
| 母指MP関節尺側側副靱帯損傷 | ベネット骨折(CM関節部) | |
|---|---|---|
| 受傷機転 | 母指の橈側外転(外転)強制 | 母指の軸方向への圧迫・屈曲 |
| 圧痛部位 | MP関節の尺側 | CM関節(第1中手骨基部) |
| 主な所見 | 屈曲位での側方動揺、ピンチ力低下 | 基部の膨隆・変形、軸圧痛 |
| 対応 | 完全断裂・競技者は観血療法 | 脱臼骨折として整復・固定、多くは観血療法 |
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