学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ33P112
理由で解く 柔道整復師
外転筋力の低下があり、内旋位での屈曲で痛むが外旋位の屈曲や伸展では痛まない。肩峰下でのインピンジメントを示す所見であり、棘上筋腱損傷を考える。
棘上筋は肩甲骨棘上窩から起こり、肩峰の下をくぐって上腕骨大結節上面に停止する。外転の初動と骨頭の求心位保持を担うため、腱が傷むと外転筋力が低下する。腕を内旋させたまま前方挙上すると大結節が肩峰前下縁や烏口肩峰靱帯と衝突し、その間に挟まれる棘上筋腱と肩峰下滑液包に痛みが出る(インピンジメント徴候を誘発する肢位)。外旋位で挙げれば大結節が肩峰の下に潜り込まず衝突を避けられるため痛みが出にくい。この「内旋で痛く、外旋では痛くない」という差が、棘上筋腱・肩峰下滑液包の障害を示す手がかりになる。一方、本例で「肘関節屈曲に対する前腕への抵抗運動」で痛みが出ないことは、ヤーガソンテスト(肘屈曲位で前腕回外に抵抗をかける検査)に相当する肢位で陰性ということであり、上腕二頭筋長頭腱に由来する病態を否定する材料になる。
| 病態 | 低下する筋力 | 疼痛を誘発する動作・検査 |
|---|---|---|
| 棘上筋腱損傷 | 外転 | 内旋位での屈曲・挙上(インピンジメント肢位) |
| 肩甲下筋腱損傷 | 内旋 | リフトオフテスト、抵抗下の内旋 |
| 上腕二頭筋長頭腱炎 | 目立たない | ヤーガソンテスト(肘屈曲位で前腕回外に抵抗)、スピードテスト(肘伸展・前腕回外位で肩屈曲に抵抗) |
| SLAP損傷 | 目立たない | 挙上位での回旋、オブライエンテスト、ヤーガソンテスト(肘屈曲位で前腕回外に抵抗) |
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