学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ33P101

理由で解く 柔道整復師

QJ33P101 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問101
問題
ベーカー(Baker)嚢腫が発生するのはどれか。
選択肢
1 膝蓋前皮下包
2 脛骨粗面皮下包
3 側副靱帯滑液包
4 腓腹筋半膜様筋包
解答
正解4(腓腹筋半膜様筋包)
解説

ベーカー嚢腫は膝窩内側にある腓腹筋内側頭と半膜様筋の間の滑液包が膨隆したもので、答えは4である。

この滑液包は膝関節腔と交通していることが多く、変形性膝関節症や関節リウマチなど関節液が増える病態で関節内圧が高まると、液が包の中へ流れ込んで膝窩に弾力性のある腫瘤をつくる。膝を伸展すると緊満して硬く触れ、屈曲するとやわらぐのが特徴である。破裂すると内容が下腿三頭筋内へ流れ込み、腓腹部の腫脹・疼痛を生じて深部静脈血栓症と紛らわしい像を呈する。対応としては原因となっている膝関節の病態(関節液貯留、可動域制限)の評価と管理を優先し、急な下腿腫脹や増悪があれば医療機関へつなぐ。

✗ 1. 誤り
膝蓋前皮下包
膝蓋骨前面の皮下にある包で、床に膝をついて行う作業の反復により膝蓋前滑液包炎を起こす部位である。腫脹は膝の前面に出る。
✗ 2. 誤り
脛骨粗面皮下包
膝蓋腱の遠位、脛骨粗面の前面にある包で、正座や膝立ちの反復で膝蓋下滑液包炎を生じる部位。膝窩の嚢腫とは無関係である。
✗ 3. 誤り
側副靱帯滑液包
側副靱帯の周囲にも小さな滑液包があり炎症を起こすことはあるが、膝関節腔と交通して膝窩に嚢腫をつくる部位ではない。圧痛は関節裂隙に沿った側方に出る。
✓ 4. 正しい
腓腹筋半膜様筋包
膝窩の内側、腓腹筋内側頭と半膜様筋の間にあり、膝関節腔と交通する。ここが関節液で膨隆したものがベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)である。
ポイント
  • ベーカー嚢腫=膝窩内側の腓腹筋内側頭と半膜様筋の間の滑液包の膨隆。
  • 膝関節腔と交通し、関節液が増える病態(変形性膝関節症、関節リウマチ)で生じる。
  • 膝伸展位で緊満し、屈曲で軟らかくなる。
  • 破裂すると腓腹部の腫脹・疼痛を起こし、深部静脈血栓症と紛らわしい。
  • 原因である膝関節の病態評価を優先し、急な下腿腫脹があれば医療機関へつなぐ。
比較表
滑液包位置関連する病態
膝蓋前皮下包膝蓋骨前面の皮下膝つき作業の反復による膝蓋前滑液包炎
脛骨粗面皮下包(膝蓋下皮下包)脛骨粗面の前面正座・膝立ちによる膝蓋下滑液包炎
側副靱帯滑液包側副靱帯周囲側方の局所炎症(膝窩腫瘤はつくらない)
腓腹筋半膜様筋包膝窩内側ベーカー嚢腫(関節腔と交通)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。