学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ33P098

理由で解く 柔道整復師

QJ33P098 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問98
問題
障害が起こりやすいのはどれか。
選択肢
1 膝蓋上滑膜ヒダ
2 膝蓋下滑膜ヒダ
3 膝蓋内側滑膜ヒダ
4 膝蓋外側滑膜ヒダ
解答
正解3(膝蓋内側滑膜ヒダ)
解説

滑膜ヒダのうち障害を起こしやすいのは膝蓋内側滑膜ヒダ。膝の屈伸のたびに膝蓋骨と大腿骨内側顆の間に挟み込まれる位置にあるためで、いわゆるタナ障害である。

滑膜ヒダは、胎生期に膝関節腔を仕切っていた隔壁が完全に吸収されずに残ったもので、膝蓋上ヒダ・膝蓋下ヒダ・内側ヒダ・外側ヒダに分けられる。このうち内側滑膜ヒダは膝蓋大腿関節の内側縁を縦に走り、膝を曲げ伸ばしするたびに大腿骨内側顆の前面を乗り越えるという、力学的に不利な位置関係にある。使い過ぎや打撲を繰り返すと肥厚・線維化し、屈伸時に内側顆と膝蓋骨の間に挟まれて、膝屈曲30〜60°付近での引っかかりや弾発音、膝蓋骨内側縁の圧痛を生じる。他のヒダは存在頻度や走行の関係で挟み込まれにくい。対処は膝屈伸の反復動作を一時的に減らし、大腿四頭筋(とくに内側広筋)の柔軟性と筋力を整えることから始める。

✓ 3. 正しい
膝蓋内側滑膜ヒダ
膝蓋大腿関節の内側縁を縦走し、屈伸のたびに大腿骨内側顆前面を乗り越えるため、肥厚すると挟み込みが起こる。膝屈曲30〜60°付近の弾発・引っかかりと膝蓋骨内側縁の圧痛が典型所見。
✗ 1. 誤り
膝蓋上滑膜ヒダ
膝蓋上嚢の入口部にある隔壁の遺残。存在頻度自体は高いが、大腿骨顆部と膝蓋骨の間に挟み込まれる位置関係にはなく、単独で症状を起こすことは少ない。
✗ 2. 誤り
膝蓋下滑膜ヒダ
顆間窩から膝蓋下脂肪体へ向かって伸びるヒダ(粘膜ヒダ)。関節の中心付近を前後に走るため、屈伸に伴う挟み込みは起こりにくい。
✗ 4. 誤り
膝蓋外側滑膜ヒダ
存在すること自体がまれで、臨床的に障害の原因となることはほとんどない。
ポイント
  • 障害を起こしやすいのは内側滑膜ヒダ(タナ障害)。膝蓋骨と大腿骨内側顆に挟まれる位置にある。
  • 典型症状:膝屈曲30〜60°付近での弾発音・引っかかり感、膝蓋骨内側縁の圧痛。
  • 滑膜ヒダは胎生期の隔壁の遺残。膝蓋上・膝蓋下・内側・外側の4つ。
  • 外側ヒダは存在自体がまれ、膝蓋上・膝蓋下ヒダは挟み込まれにくい走行。
  • 屈伸反復の負荷を一時的に減らし、大腿四頭筋(内側広筋)の柔軟性・筋力を整えることから対応する。
比較表
滑膜ヒダ位置挟み込みの起こりやすさ
膝蓋内側滑膜ヒダ膝蓋大腿関節の内側縁を縦走高い(タナ障害)
膝蓋上滑膜ヒダ膝蓋上嚢の入口部低い
膝蓋下滑膜ヒダ顆間窩〜膝蓋下脂肪体低い
膝蓋外側滑膜ヒダ膝蓋大腿関節の外側存在自体がまれ
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