学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ33P097

理由で解く 柔道整復師

QJ33P097 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問97
問題
ハムストリングスの肉離れが生じる肢位はどれか。
選択肢
1 膝関節伸展、股関節屈曲
2 膝関節伸展、股関節伸展
3 膝関節屈曲、股関節屈曲
4 膝関節屈曲、股関節伸展
解答
正解1(膝関節伸展、股関節屈曲)
解説

筋は「引き伸ばされながら力を発揮する」ときに損傷する。ハムストリングスが最も伸張されるのは、股関節屈曲かつ膝関節伸展の肢位である。

ハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)は坐骨結節から起こって下腿へ停止する二関節筋で、股関節伸展と膝関節屈曲に働く。筋が最も引き伸ばされるのはその作用と逆の肢位、つまり股関節が屈曲し、同時に膝関節が伸展した状態である。全力疾走の遊脚後期がまさにこの肢位で、前方に振り出された大腿(股関節屈曲位)に対して下腿が勢いよく伸びていく。このとき筋は伸ばされながらブレーキをかける遠心性収縮を強いられ、張力が最大となって筋腱移行部が損傷する。好発部位は大腿二頭筋長頭の筋腱移行部で、受傷直後は圧痛点の確認と、膝伸展位での股関節屈曲角度(SLR)による健側との比較が重症度の目安になる。

✓ 1. 正しい
膝関節伸展、股関節屈曲
起始側(坐骨結節)が股関節屈曲で遠ざかり、停止側も膝関節伸展で遠ざかるため、筋腱全体が最大に伸張される。疾走時の遊脚後期がこの肢位にあたり、遠心性収縮が重なって肉離れが起こる。
✗ 2. 誤り
膝関節伸展、股関節伸展
膝伸展で停止側は遠ざかるが、股関節伸展により起始側が近づいて緩む。全長としては最大伸張にならない。
✗ 3. 誤り
膝関節屈曲、股関節屈曲
股関節屈曲で起始側は遠ざかるが、膝屈曲によって停止側が近づく。二関節筋どうしで打ち消し合い、伸張は不十分。
✗ 4. 誤り
膝関節屈曲、股関節伸展
ハムストリングスの作用そのものの肢位で、筋は最も短縮している。この状態から損傷が起こるとは考えにくい。
ポイント
  • ハムストリングスの作用=股関節伸展+膝関節屈曲。伸張肢位はその逆(股関節屈曲+膝関節伸展)。
  • 肉離れは伸ばされながら収縮する遠心性収縮時に起こる。
  • 好発場面:全力疾走の遊脚後期(下腿の振り出しにブレーキをかける瞬間)。
  • 好発部位:大腿二頭筋長頭の筋腱移行部。
  • 評価は圧痛点と、膝伸展位での股関節屈曲角度(SLR)の左右差で行い、痛みのない範囲から段階的に運動を再開する。
比較表
肢位起始側(坐骨結節)停止側(下腿)筋の長さ
股関節屈曲+膝関節伸展遠ざかる遠ざかる最大伸張
股関節伸展+膝関節伸展近づく遠ざかる中間
股関節屈曲+膝関節屈曲遠ざかる近づく中間
股関節伸展+膝関節屈曲近づく近づく最大短縮
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