学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ33P092
理由で解く 柔道整復師
第1MTP関節背側脱臼では、趾を長軸方向に引っ張る操作を避ける。牽引すると足底板や種子骨が関節内へ引き込まれ、徒手では戻せない複合脱臼にしてしまうためである。
背側脱臼では中足骨頭が足底側の関節包(足底板)を突き破るように押し出され、足底板とそこに含まれる種子骨が中足骨頭の背側へ巻き上がりやすい状態にある。ここで趾を遠位へ牽引すると、この組織がさらに関節面の間へ引き込まれて挟まり、いくら引いても戻らなくなる。そこで整復は牽引に頼らず、まず脱臼位である背屈を軽く強めて基節骨底を中足骨頭の背側縁に引っ掛け、その接触を保ったまま基節骨基部を遠位・足底方向へ押し出すように滑らせる。整復後はMTP関節の過伸展を避ける肢位で3週前後固定し、その後は隣接趾テーピングや足底板で保護しながら荷重を進める。数回試みても戻らないときは無理を重ねず、画像評価と観血的整復の判断ができる医療機関へつなぐ。
| 操作 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 趾を遠位へ牽引する | 避ける | 足底板・種子骨が関節内に嵌入し整復不能となる |
| 背屈をやや強める | 行う | 基節骨底を中足骨頭背側縁に引っ掛けるため |
| 基節骨基部を背側から圧迫 | 行う | 押し出し整復の主力となる力の加え方 |
| 趾を足底側へ押し出す | 行う | 基節骨底を中足骨頭に沿って滑り戻す |
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