学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §21 各論(軟部組織損傷) 頭部・体幹 / QJ33P093

理由で解く 柔道整復師

QJ33P093 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問93
問題
肋間筋損傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 直達外力で発生する。
2 皮下血腫は高エコー像となる。
3 体幹を動かすと疼痛が増強する。
4 疲労骨折との鑑別は容易である。
解答
正解3(体幹を動かすと疼痛が増強する。)
解説

肋間筋損傷は、急な体幹の回旋や強い咳など介達外力で起こる筋の損傷。呼吸や体幹運動のたびに筋が伸び縮みするため、体幹を動かすと痛みが強くなるのが特徴である。

肋間筋は隣り合う肋骨をつなぎ、呼吸運動と体幹の回旋・側屈に合わせて絶えず伸縮している。ゴルフやテニスのスイング、投球、激しい咳やくしゃみで急激に伸張されると、筋線維が損傷する。したがって発生機序の中心は打撲などの直達外力ではなく介達外力である。症状は安静時には軽く、深呼吸・咳・体幹の回旋や側屈で明らかに増強する。超音波では新鮮な血腫は液体成分が主体のため低エコー(無エコー)域として描出され、時間経過とともにエコー像が変化する。注意したいのは肋骨疲労骨折で、誘因も部位も圧痛点も重なるうえ、受傷初期の単純X線では骨折線が写らないことも多い。鑑別は容易ではないので、限局した圧痛や介達痛が強い場合は骨折を念頭に医療機関の画像評価につなぐ。

✓ 3. 正しい
体幹を動かすと疼痛が増強する。
損傷した肋間筋は体幹の回旋・側屈や深呼吸・咳のたびに伸張・収縮を強いられる。動作時痛が明瞭で安静時痛は軽い、という経過が典型で、日常生活では寝返りや起き上がりで痛みを訴えることが多い。
✗ 1. 誤り
直達外力で発生する。
主体は介達外力。スイング動作や投球での急激な体幹回旋、強い咳・くしゃみによる筋の急速な伸張で発生する。直達外力が加われば肋骨骨折や胸壁の打撲を考える場面になる。
✗ 2. 誤り
皮下血腫は高エコー像となる。
新鮮な血腫は液体成分が主体なので、超音波では低エコー(無エコー)域として描出される。高エコーになるのは石灰化や瘢痕、凝血塊が器質化した後期の変化。
✗ 4. 誤り
疲労骨折との鑑別は容易である。
肋骨疲労骨折は誘因(反復する咳・スイング動作)も好発部位も肋間筋損傷と重なり、初期のX線では骨折線が描出されないことも多いため、鑑別はむしろ困難。骨折の可能性を残したまま経過をみる姿勢が必要になる。
ポイント
  • 発生機序は介達外力(体幹の急な回旋、強い咳・くしゃみ)。直達外力が主体ではない。
  • 症状:深呼吸・咳・体幹回旋や側屈で増強する動作時痛。安静時痛は比較的軽い。
  • 超音波所見:新鮮血腫は低(無)エコー域。高エコー化は器質化・石灰化など後期の変化。
  • 肋骨疲労骨折と誘因・部位・圧痛点が重なり、初期X線では写らないため鑑別は困難。
  • 限局した圧痛や介達痛が強いときは骨折を想定し、医療機関の画像評価につなぐ。
比較表
肋間筋損傷肋骨疲労骨折
機序急激な伸張(回旋・咳)反復する牽引・圧迫ストレス
痛みの出方体幹運動・深呼吸で増強体幹運動・深呼吸で増強(類似)
圧痛肋間に沿ってやや広め骨上に限局しやすい
介達痛(胸郭圧迫)出にくい誘発されやすい
初期X線異常なし写らないことが多い
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