学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ33P090

理由で解く 柔道整復師

QJ33P090 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問90
問題
膝蓋骨脱臼で膝蓋骨の関節面が前方を向くのはどれか。
選択肢
1 外側脱臼
2 回転脱臼
3 垂直脱臼
4 水平脱臼
解答
正解2(回転脱臼)
解説

膝蓋骨脱臼は「どの軸を中心に、どれだけ回るか」で名前が決まる。関節面が前方(皮膚側)を向くのは、長軸まわりにほぼ180°反転した回転脱臼である。

膝蓋骨の関節面は本来、後方の大腿骨膝蓋面に向かい合っている。外側脱臼はこの向きを保ったまま外側へずれるもので、膝蓋骨脱臼のほとんどを占める。垂直脱臼は膝蓋骨が長軸を中心に約90°回転し、関節面が内側または外側を向いて膝蓋骨が縦に立った状態になる。水平脱臼は横軸を中心に回転し、関節面が上方または下方を向く。回転が約180°まで進むと関節面は完全に裏返り、本来後方を向いていた軟骨面が前方=皮下側を向く。これが回転脱臼で、皮下に硬い軟骨面を直接触れる特徴的な所見となる。とくに回転を伴う型(垂直・水平・回転脱臼)はいずれもまれで、軟部組織損傷が高度になりやすいため、整復後は関節内の状態を画像で確認できる体制につなぐ。最多である外側脱臼でも、内側支持機構である内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)の損傷や骨軟骨骨折を伴うことがあるので、整復できたからと終わりにせず評価を続ける。

✓ 2. 正しい
回転脱臼
膝蓋骨が長軸を中心におよそ180°反転するため、関節面が前方を向く。皮下に軟骨面の平坦で硬い手触りを触知し、膝蓋骨の輪郭が通常と裏返って見える。まれな型で、軟部組織損傷が高度になりやすい。
✗ 1. 誤り
外側脱臼
膝蓋骨脱臼のなかで最も多い型。関節面の向きは変わらず、膝蓋骨が外側へ移動するだけなので、関節面が前方を向くことはない。多くは自然整復されるが、内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)損傷や骨軟骨骨折を残すことがあるため評価は必要。
✗ 3. 誤り
垂直脱臼
長軸を中心とした回転が約90°でとどまる型。関節面は内側または外側を向き、膝蓋骨が縦に立って関節裂隙に食い込む。前方を向くには回転が足りない。
✗ 4. 誤り
水平脱臼
横軸を中心に回転する型で、関節面は上方または下方を向く。回転軸が違うため前方を向く形にはならない。
ポイント
  • 外側脱臼=最多。関節面の向きは変わらず外側へ移動する。
  • 垂直脱臼=長軸まわり約90°。関節面は内側または外側を向き、膝蓋骨が縦に立つ。
  • 水平脱臼=横軸まわりの回転。関節面は上方または下方を向く。
  • 回転脱臼=長軸まわり約180°。関節面が前方(皮下側)を向き、軟骨面を皮下に触れる。
  • 回転を伴う型(垂直・水平・回転)はまれで軟部組織損傷が高度になりやすい。外側脱臼では内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)損傷や骨軟骨骨折の評価が要点。
  • 「回転軸」と「回転量」の2つをセットで覚えると、名称と所見が一対一で結びつく。
比較表
回転軸と回転量関節面の向き頻度
外側脱臼回転なし(外側へ移動)後方のまま最も多い
垂直脱臼長軸まわり 約90°内側または外側まれ
水平脱臼横軸まわり上方または下方まれ
回転脱臼長軸まわり 約180°前方(皮下側)まれ
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