学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ33P088

理由で解く 柔道整復師

QJ33P088 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問88
問題
フォーク状変形を呈するのはどれか。
選択肢
1 スミス (Smith)骨折
2 遠位橈尺関節背側脱臼
3 橈骨手根関節背側脱臼
4 掌側バートン(Barton)骨折
解答
正解3(橈骨手根関節背側脱臼)
解説

フォーク状(ディナーフォーク)変形とは、手部が橈骨遠位部より背側へずれたときに前腕を側方から見て現れる階段状の輪郭のこと。したがって「遠位側が背側へ転位する損傷」を選ぶ。

この変形の代表はコーレス骨折だが、本問の選択肢には含まれていない。そこで「どの骨片がどちら向きに動くか」だけで整理する。橈骨手根関節背側脱臼は手根骨列がそろって橈骨遠位関節面から外れ、背側へ乗り上げる損傷で、手部そのものが背側かつ近位へ移動するため、側面像はコーレス骨折と同じ形になる。一方、スミス骨折と掌側バートン骨折はいずれも遠位側が掌側へ転位するので、膨隆するのは掌側であり、背側転位を前提とするフォーク状変形とは向きが逆になる。このうち逆フォーク状変形(庭園ショベル状変形)という呼称を用いるのはスミス骨折で、掌側バートン骨折は関節内骨折として骨片と手根骨がともに掌側へずれる「掌側の膨隆」として捉えるとよい。遠位橈尺関節背側脱臼は尺骨頭だけが背側に突出する限局した隆起であり、手部全体が背側へずれるわけではない。

✓ 3. 正しい
橈骨手根関節背側脱臼
手根骨列が橈骨関節面の背側へ乗り上げ、手部が背側・近位へ転位する。前腕を横から見ると手関節部に背側凸の段差ができ、伏せたフォークの側面に似た輪郭になる。転位方向がコーレス骨折と同じであることが決め手。
✗ 1. 誤り
スミス (Smith)骨折
橈骨遠位端骨折のうち遠位骨片が掌側へ転位するもので、「逆コーレス骨折」とも呼ばれる。膨隆するのは掌側なので、変形は逆フォーク状(庭園ショベル状)となる。
✗ 2. 誤り
遠位橈尺関節背側脱臼
背側へ出るのは尺骨頭だけで、手部の位置関係は大きく変わらない。尺骨頭部の限局した隆起(押すと沈み、離すと戻るピアノキー様の可動性)と、前腕回内外の制限・手関節尺側部痛が主体で、手関節全体が段差をつくる変形にはならない。
✗ 4. 誤り
掌側バートン(Barton)骨折
橈骨遠位端の掌側縁が三角形に割れる関節内骨折で、骨片と手根骨がいっしょに掌側・近位へ転位する。膨隆するのは掌側であり、背側転位を前提とするフォーク状変形とは向きが逆になる。
ポイント
  • フォーク状変形=手部(遠位側)が背側へ転位したときの側面輪郭。代表はコーレス骨折。
  • 背側へ転位する群:コーレス骨折・背側バートン骨折・橈骨手根関節背側脱臼 → フォーク状変形。
  • 掌側へ転位する群:スミス骨折・掌側バートン骨折 → いずれも掌側が膨隆し、フォーク状変形とは逆向きになる。
  • ただし逆フォーク状変形(庭園ショベル状変形)という呼称はスミス骨折に用いる。掌側バートン骨折は「掌側転位による掌側の膨隆」と機序で覚える。
  • 遠位橈尺関節背側脱臼は尺骨頭のみの突出。回内外制限と手関節尺側部痛が主症状。
  • 変形名を丸暗記せず「どの骨片がどちらへ動くか」で導けば、見慣れない選択肢にも対応できる。
比較表
損傷転位する部分転位方向側面から見た変形
橈骨手根関節背側脱臼手根骨列(手部全体)背側・近位フォーク状変形
コーレス骨折(参考)橈骨遠位骨片+手部背側・橈側・近位フォーク状変形
スミス骨折橈骨遠位骨片+手部掌側掌側の膨隆=逆フォーク状(庭園ショベル状)
掌側バートン骨折橈骨掌側縁の骨片+手根骨掌側・近位掌側の膨隆(フォーク状変形とは逆向き)
遠位橈尺関節背側脱臼尺骨頭のみ背側尺骨頭部の限局した隆起
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