学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ33P087

理由で解く 柔道整復師

QJ33P087 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問87
問題
図の整復法はどれか。
図
選択肢
1 ミルヒ
2 モーテ
3 クーパー
4 スティムソン
解答
正解4(スティムソン)
解説

正答はスティムソン法。腹臥位で患肢をベッド端から垂らし、重錘や自重による持続的な下方牽引で筋の防御収縮がゆるむのを待つ整復法である。

整復法の名称問題は、それぞれが「どんな肢位で、どちらへ、どんな性質の力を加えるか」で整理すると迷わない。スティムソン法の特徴は3つ。腹臥位であること、患肢を下垂させること、そして術者が強い力を加えず持続牽引で待つことである。急激な力を使わないので、医原性の骨折や神経損傷のリスクが小さく、鎮痛下でゆっくり行える。肩関節前方脱臼でも股関節後方脱臼でも同じ発想が用いられる点も押さえておきたい。これに対し、ミルヒ法は上肢を外転・外旋方向へ誘導しながら骨頭を戻す方法、モーテ法は体幹を固定したうえで上肢を外転挙上させつつ長軸方向へ牽引する方法、クーパー法(踵骨法)は術者の踵を患者の腋窩に入れて患肢を長軸方向へ牽引する方法である。図で示された体位・患肢の向き・力の加わる方向が、どの方法の原理に対応するかを照らし合わせて判断する。

✓ 4. 正しい
スティムソン
腹臥位で患肢を台の端から垂らし、重錘または自重による持続的な下方牽引を加える。筋の防御性収縮が時間とともにゆるむのを利用するため、術者が強い力を加えない点が最大の特徴。
✗ 1. 誤り
ミルヒ
肩関節前方脱臼に対し、上肢を徐々に外転・外旋位へ誘導しながら骨頭を関節窩へ押し戻す方法。患肢を挙上方向へ動かしていく操作が中心で、下垂位での持続牽引とは原理が異なる。
✗ 2. 誤り
モーテ
肩関節前方脱臼に対し、介助者が鉤帯などで体幹を健側へ固定し、術者が患肢を外転挙上位に保ちながら長軸方向へ牽引する方法。介助者を要する点が特徴。
✗ 3. 誤り
クーパー
踵骨法とも呼ばれ、背臥位の患者の腋窩に術者の踵を入れて支点とし、患肢を長軸方向へ牽引して骨頭を戻す方法。背臥位で行う点、支点を作る点がスティムソン法と異なる。
ポイント
  • スティムソン法=腹臥位・患肢下垂・重錘による持続牽引。術者が強い力を加えない
  • 肩関節前方脱臼にも股関節後方脱臼にも同じ発想が用いられる
  • ミルヒ法=上肢を外転・外旋へ誘導して骨頭を押し戻す
  • モーテ法=介助者が体幹を固定し、外転挙上位で長軸牽引
  • クーパー法(踵骨法)=背臥位で腋窩に踵を入れ支点とし長軸牽引
  • 整復法は「体位・患肢の向き・力の性質(持続か操作か)」の3点で区別する
比較表
整復法体位患肢の扱い力の性質
スティムソン腹臥位台の端から下垂重錘・自重による持続牽引
ミルヒ背臥位など外転・外旋へ誘導術者の誘導操作
モーテ背臥位外転挙上位介助者の対抗+長軸牽引
クーパー(踵骨法)背臥位長軸方向腋窩を支点とした牽引
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