学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ33P075

理由で解く 柔道整復師

QJ33P075 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問75
問題
高所から墜落し殿部から落ちた際に生じるのはどれか。
選択肢
1 頰骨骨折
2 頭蓋冠骨折
3 頭蓋底骨折
4 眼窩底破裂骨折
解答
正解3(頭蓋底骨折)
解説

殿部から落ちると、衝撃は脊柱を伝わって上へ抜ける。その軸圧が頭蓋底を突き上げ、介達外力による頭蓋底骨折を起こしうる。

高所からの墜落で殿部を打つと、力は坐骨から骨盤、そして脊柱へと縦方向に伝達される。脊柱の上端では環椎が後頭骨を下から突き上げる形になり、大後頭孔の周囲に沿って輪状の骨折線が生じることがある。これが介達外力型の頭蓋底骨折で、直接頭を打っていないのに頭蓋が折れるという、機序を理解していないと選べない典型例である。頭蓋底骨折では髄液鼻漏・髄液耳漏、眼窩周囲の皮下出血(いわゆるパンダの目、ブラックアイ)、乳様突起部の皮下出血(バトル徴候)といった特徴的所見が現れる。頭蓋内損傷や髄膜炎に進む危険があるため、この機序を聞き取った時点で頭部の症状を確認し、疑いがあれば速やかに医師へ搬送する。同時に、脊柱(とくに胸腰椎移行部)の圧迫骨折や踵骨骨折も同じ軸圧で起こりうるので、あわせて評価する。

✓ 3. 正しい
頭蓋底骨折
脊柱を介して伝わった軸圧が頭蓋底に集中し、環椎が後頭骨を突き上げることで骨折線が生じる。介達外力で頭蓋が折れる代表例。
✗ 1. 誤り
頰骨骨折
顔面側方への直達外力(殴打、転倒時の顔面打撲、スポーツでの衝突)で起こる。殿部からの落下では頬部に力が加わらない。
✗ 2. 誤り
頭蓋冠骨折
頭部そのものへの直達外力で生じる。頭から落ちた、打撲したという機序が必要で、殿部からの落下では成立しにくい。
✗ 4. 誤り
眼窩底破裂骨折
眼球や眼窩縁への直達外力で眼窩内圧が急上昇し、最も薄い眼窩底が抜ける(ブローアウト骨折)。ボールや拳が眼に当たる機序で、落下の軸圧とは無関係。
ポイント
  • 殿部からの墜落=脊柱を伝わる軸圧。頭蓋底骨折・脊椎圧迫骨折・踵骨骨折を同時に疑う
  • 頭蓋底骨折は直達外力でも介達外力でも起こる。介達型は環椎が後頭骨を突き上げる機序
  • 頭蓋底骨折の徴候=髄液鼻漏・耳漏、ブラックアイ(パンダの目)、バトル徴候
  • 頬骨骨折・頭蓋冠骨折・眼窩底破裂骨折はいずれも頭頸部への直達外力が必要
  • 疑ったら鼻や耳を無理に拭ったり詰めたりせず、速やかに医師へ搬送する
比較表
骨折典型的な外力加わる部位
頭蓋底骨折介達外力(軸圧)/直達外力殿部・頭頂部からの伝達
頭蓋冠骨折直達外力頭部そのもの
頰骨骨折直達外力顔面側方
眼窩底破裂骨折直達外力(眼窩内圧上昇)眼球・眼窩縁
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