学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §12 総論 後療法 / QJ33P073

理由で解く 柔道整復師

QJ33P073 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問73
問題
サルコペニアで正しいのはどれか。
選択肢
1 速筋を鍛える筋力トレーニングが有効である。
2 散歩で筋肥大が得られる。
3 筋断面積は増加する。
4 筋線維数は増加する。
解答
正解1(速筋を鍛える筋力トレーニングが有効である。)
解説

サルコペニアでは速筋(TypeII)線維が先に細くなる。だから対策も、その速筋を動員できる強度の筋力トレーニングが有効になる。

サルコペニアは加齢に伴って骨格筋量と筋力(あるいは身体機能)が低下した状態を指す。背景には運動単位の脱落と残存運動単位による再支配があり、なかでも高閾値運動単位に支配されるTypeII(速筋)線維が優先的に萎縮する。結果として筋線維の本数は減り、残った線維も細くなるため、筋横断面積は減少する。ここから対策が導ける。歩行のような低強度の有酸素運動は全身持久力や転倒予防、生活の活動量維持には有益だが、速筋線維を動員し筋肥大を起こすのに必要な負荷(おおむね最大筋力の6割超)には届かない。したがって、速筋を動員できる強度のレジスタンストレーニングと、十分なたんぱく質摂取を組み合わせることが基本方針になる。負荷は転倒や関節への負担に配慮しながら段階的に上げていく。

✓ 1. 正しい
速筋を鍛える筋力トレーニングが有効である。
萎縮の主役がTypeII(速筋)線維だから、それを動員できる強度の抵抗運動を行うことが理にかなう。栄養(たんぱく質)の確保と合わせて実施する。
✗ 2. 誤り
散歩で筋肥大が得られる。
散歩は強度が低く、速筋線維の動員や筋肥大に必要な負荷に達しない。持久力の維持や転倒予防、活動量確保には意義があるので、筋肥大を狙うなら抵抗運動を上乗せする形にする。
✗ 3. 誤り
筋断面積は増加する。
筋線維が細くなり本数も減るため、筋横断面積は減少する。増加するのは筋間・筋内の脂肪や結合組織であり、これが「見た目の太さのわりに力が出ない」状態をつくる。
✗ 4. 誤り
筋線維数は増加する。
加齢に伴い運動単位が脱落し、支配を失った筋線維は消失するため、筋線維数は減少する。増えることはない。
ポイント
  • サルコペニア=加齢に伴う骨格筋量・筋力(身体機能)の低下
  • 優先的に萎縮するのはTypeII(速筋)線維
  • 筋線維数も筋横断面積も減少する(増加ではない)
  • 低強度の歩行だけでは筋肥大に届かない。速筋を動員する抵抗運動が要る
  • 運動+十分なたんぱく質摂取をセットで、負荷は段階的に上げる
比較表
TypeI(遅筋・赤筋)TypeII(速筋・白筋)
収縮速度遅い速い
疲労耐性高い低い
代謝有酸素性解糖系主体
加齢の影響比較的保たれる優先的に萎縮
有効な運動持久的運動高強度の抵抗運動
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