学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §15 部位別各論 体幹 / QJ33P065

理由で解く 柔道整復師

QJ33P065 整形外科学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問65
問題
頸椎症性神経根症で正しいのはどれか。
選択肢
1 CRPが陽性となる。
2 下肢の痙性が出現する。
3 cock robin position をとる。
4 ジャクソンテストが陽性となる。
解答
正解4(ジャクソンテストが陽性となる。)
解説

頸椎症性神経根症は、加齢変性による骨棘や椎間板の膨隆で椎間孔が狭くなり、片側の神経根が圧迫される病態である。椎間孔をさらに狭める肢位で症状が誘発されるため、ジャクソンテストが陽性となる。

症状は一側の頸部から肩甲部・上肢へ走る放散痛としびれで、障害された神経根の支配に一致して感覚低下・筋力低下・腱反射の低下が起こる(C6なら上腕二頭筋反射低下と母指側のしびれ、C7なら上腕三頭筋反射低下と中指のしびれ)。ジャクソンテストは頭部を後屈させて上から圧迫、スパーリングテストは後屈に患側への回旋を加えて圧迫し、いずれも椎間孔を狭めて上肢の放散痛を再現させる検査である。多くは保存療法(頸部の後屈を避ける姿勢指導、消炎鎮痛、必要に応じた牽引や装具)で軽快するが、筋力低下が進行する場合や、両手のしびれ・箸やボタンが使いにくい巧緻運動障害・歩行の不安定さがある場合は脊髄症を疑い、速やかに専門医へ紹介する。

✓ 4. 正しい
ジャクソンテストが陽性となる。
頭部を後屈させ頭頂部から圧迫すると椎間孔がさらに狭まり、圧迫されている神経根が刺激されて上肢への放散痛が再現される。神経根症の代表的な誘発テスト。
✗ 1. 誤り
CRPが陽性となる。
加齢変性による機械的圧迫が本態で、全身性の炎症反応は伴わない。CRPや赤沈が上昇するときは化膿性脊椎炎、関節リウマチ、悪性腫瘍の転移など別の病態を考え、医科へ紹介する。
✗ 2. 誤り
下肢の痙性が出現する。
下肢の痙性(腱反射亢進、バビンスキー徴候、痙性歩行)は脊髄そのものが圧迫される頸椎症性脊髄症の所見。神経根症の症状は原則として一側上肢に限られ、下肢には及ばない。
✗ 3. 誤り
cock robin position をとる。
頭部を一方へ回旋し反対側へ側屈した特徴的な肢位で、環軸椎回旋位固定(小児の急性斜頸)でみられる。頸椎症性神経根症の所見ではない。
ポイント
  • 神経根症=片側上肢の放散痛・しびれ+その根に一致した感覚低下・筋力低下・腱反射低下。左右差が出るのが特徴。
  • 誘発テストはジャクソン(後屈+圧迫)とスパーリング(後屈+患側回旋+圧迫)。どちらも椎間孔を狭めて症状を再現させる。
  • 変性疾患なのでCRP・赤沈は上がらない。炎症反応陽性なら感染・炎症性疾患・腫瘍を疑う。
  • 両手のしびれ、巧緻運動障害、痙性歩行、膀胱直腸障害があれば脊髄症。緊急度が上がるので速やかに専門医へ。
  • 保存療法では頸部を後屈させる姿勢(高い枕、上を向く作業)を避ける指導が有効。
比較表
頸椎症性神経根症頸椎症性脊髄症
圧迫される場所椎間孔での神経根脊柱管内の脊髄
症状の分布一側上肢(根の支配領域)両上肢+下肢、体幹
腱反射該当根で低下亢進(病的反射も出現)
特徴的な訴え片側の放散痛・しびれ手の巧緻運動障害、痙性歩行、膀胱直腸障害
誘発テストジャクソン、スパーリングホフマン、トレムナー、バビンスキー
経過保存療法で軽快することが多い進行性で手術を要することが多い
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