学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §12 疾患別各論 骨端症 / QJ33P062

理由で解く 柔道整復師

QJ33P062 整形外科学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問62
問題
骨端症と好発部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 セーバー(Sever)病-第2中足骨骨頭
2 ペルテス (Perthes) 病-上腕骨骨頭
3 フライバーグ(Freiberg)病-踵骨隆起
4 キーンベック(Kienböck)病-月状骨
解答
正解4(キーンベック(Kienböck)病-月状骨)
解説

骨端症は、成長期の骨端核や手根骨などが血行障害によって壊死・扁平化する一群の疾患で、人名と部位をセットで覚えるのが最短の対策である。正しい組合せは4のキーンベック病-月状骨。

この問題は、セーバー病とフライバーグ病の部位をちょうど入れ替えて提示している点が要注意である。セーバー病は踵骨隆起の骨端核に起こり、アキレス腱と足底腱膜に引っ張られる部位への繰り返し牽引が誘因で、10歳前後のスポーツをする男児が踵の痛みを訴える。フライバーグ病(第2ケーラー病)は第2中足骨骨頭の壊死で、思春期の女子に多く、前足部痛と骨頭の扁平化が特徴。ペルテス病は大腿骨頭の阻血性壊死で、4〜8歳の男児に多く、跛行と股関節の外転・内旋制限をきたす。上肢に生じる代表的な骨端症は上腕骨小頭のパンナー病(学童期=5〜10歳ごろの男児、投球側の肘)であり、上腕骨骨頭の骨端症というものはない。キーンベック病は月状骨の無腐性壊死(月状骨軟化症)で、手を酷使する20〜40代の男性に多く、手関節背側の痛みと腫脹、握力低下を生じる。厳密にはキーンベック病は成長期の骨端核の障害ではなく手根骨の骨壊死だが、国家試験では骨端症・骨壊死の一群としてまとめて問われる。臨床では、成長期の子どもが特定部位の運動時痛を訴えたら該当する骨端症を想起し、スポーツ活動量の調整とストレッチ指導を行いつつ、画像評価のため医師の診察につなげる。

✓ 4. 正しい
キーンベック(Kienböck)病-月状骨
キーンベック病は月状骨の血行障害による無腐性壊死(月状骨軟化症)である。手を繰り返し使う20〜40代男性に多く、手関節背側中央の痛み・腫脹、可動域制限、握力低下をきたす。尺骨が橈骨より短いマイナス変異が発症に関与するとされる。他の骨端症と異なり成人に発症し、進行すると月状骨が圧潰して手術に至ることもあるため、「安静にしていれば自然に治る」タイプの小児の骨端症とは同列に扱わない。
✗ 1. 誤り
セーバー(Sever)病-第2中足骨骨頭
セーバー病の好発部位は踵骨隆起(踵骨骨端症)で、第2中足骨骨頭ではない。アキレス腱と足底腱膜の牽引が加わる骨端核の障害で、10歳前後の活動的な男児が踵の痛みと圧痛を訴える。運動量の調整、下腿三頭筋のストレッチ、踵パッドの使用が対応となる。
✗ 2. 誤り
ペルテス (Perthes) 病-上腕骨骨頭
ペルテス病は大腿骨頭の阻血性壊死であり、上腕骨骨頭ではない。4〜8歳の男児に多く、股関節痛のほか大腿・膝への関連痛や跛行で気づかれ、外転・内旋制限を認める。骨頭の圧潰を防ぐため免荷装具や手術で骨頭を臼蓋に包み込む(containment)治療が行われる。なお上肢の骨端症は上腕骨小頭のパンナー病(学童期=5〜10歳ごろの男児、投球側の肘の痛み)であり、上腕骨骨頭に生じる骨端症はない。この肢は部位を上肢にすり替えたひっかけである。
✗ 3. 誤り
フライバーグ(Freiberg)病-踵骨隆起
フライバーグ病(第2ケーラー病)の好発部位は第2中足骨骨頭で、踵骨隆起ではない。思春期の女子に多く、中足骨骨頭部の腫脹・圧痛と歩行時痛を生じ、進行すると骨頭が扁平化して変形性関節症に移行する。足底板や免荷で骨頭への荷重を減らす対応をとる。
ポイント
  • キーンベック病=月状骨。手を酷使する20〜40代男性、手関節背側の痛みと握力低下。
  • セーバー病=踵骨隆起(10歳前後の男児、踵の痛み)。フライバーグ病=第2中足骨骨頭(思春期女子、前足部痛)。この2つの入れ替えが定番のひっかけ。
  • ペルテス病=大腿骨頭。4〜8歳男児、跛行と股関節の外転・内旋制限。膝の痛みを訴えることがある点に注意。
  • 上肢の骨端症はパンナー病=上腕骨小頭(学童期=5〜10歳ごろの男児、投球側の肘)。上腕骨骨頭に生じる骨端症はないので「ペルテス病-上腕骨骨頭」は即座に切れる。足部で紛らわしい第1ケーラー病は足の舟状骨
  • 多くの骨端症は成長期の骨端核の血行障害+反復する機械的ストレスが背景で、活動量の調整により自然に修復されるものが多い。ただし例外を押さえる——キーンベック病は成人(20〜40代)発症で進行性に月状骨が圧潰しうるペルテス病は骨頭を臼蓋に包み込む containment 治療を要する、フライバーグ病は進行すると変形性関節症に移行する。「骨端症=安静だけで治る」と一括りにしない。
比較表
疾患名部位好発特徴
キーンベック病月状骨20〜40代男性手関節背側の痛み・握力低下、尺骨マイナス変異。成人発症の例外で進行性に圧潰しうる
セーバー病踵骨隆起10歳前後の男児アキレス腱・足底腱膜の牽引、踵の運動時痛
フライバーグ病(第2ケーラー病)第2中足骨骨頭思春期の女子前足部痛、骨頭の扁平化。進行すると変形性関節症
ペルテス病大腿骨頭4〜8歳の男児跛行、外転・内旋制限、膝への関連痛。containment 治療
パンナー病上腕骨小頭学童期(5〜10歳ごろ)の男児上肢の代表的な骨端症。投球側の肘の痛み。上腕骨骨頭の骨端症はない
第1ケーラー病足の舟状骨3〜7歳の男児足内側の痛み、予後良好
オスグッド・シュラッター病脛骨粗面10〜15歳の男子大腿四頭筋の牽引、膝前面の隆起と痛み
ショイエルマン病胸腰椎椎体(骨端輪)思春期楔状椎による円背
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