学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ33P061

理由で解く 柔道整復師

QJ33P061 整形外科学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問61
問題
軟骨無形成症でみられるのはどれか。
選択肢
1 X 脚
2 青色強膜
3 腰椎前弯の増強
4 解離性大動脈瘤
解答
正解3(腰椎前弯の増強)
解説

軟骨無形成症は内軟骨性骨化が障害される先天性疾患で、四肢(とくに近位部)が短い低身長になる。体幹の長さは比較的保たれ、骨盤の前傾を伴って腰椎の前弯が強くなるのが特徴。

原因はFGFR3遺伝子の機能獲得型変異で、常染色体顕性(優性)遺伝だが多くは新生突然変異による孤発例である。成長軟骨での軟骨細胞の増殖・成熟が抑えられるため長管骨は伸びにくい一方、膜性骨化でつくられる頭蓋冠は大きいままで、頭が大きく前頭部が突出し鼻根部が陥凹する(鞍鼻)。手指は短く、中指と環指の間が開く三尖手を呈する。脊椎では椎弓根が短くもともと脊柱管が狭いため、腰椎前弯の増強と相まって成人期に腰部脊柱管狭窄症状(間欠跛行、下肢のしびれ・脱力)が出やすい。歩行距離の低下や下肢症状の変化に気づいたら早めに専門医の評価につなぐ。

✓ 3. 正しい
腰椎前弯の増強
下肢が短く体幹が相対的に長いことに加え、骨盤が前傾するため腰椎の前弯が強まる。狭い脊柱管と重なって、成人期の腰部脊柱管狭窄の素地になる。
✗ 1. 誤り
X 脚
下肢は内反(O脚、内反膝)を示すことが多い。大腿骨・脛骨の成長が抑えられる一方で腓骨が相対的に長くなることなどが関与する。
✗ 2. 誤り
青色強膜
骨形成不全症(I型コラーゲンの異常)の所見。強膜が薄く脈絡膜が透けて青く見えるもので、易骨折性や難聴、歯牙形成不全を伴う。
✗ 4. 誤り
解離性大動脈瘤
マルファン症候群(フィブリリンの異常)で問題になる合併症。高身長・くも指・水晶体亜脱臼を伴い、四肢が短くなる軟骨無形成症とは体型が正反対である。
ポイント
  • 本態は内軟骨性骨化の障害(FGFR3遺伝子の機能獲得型変異)。膜性骨化は保たれるので頭蓋は大きい。
  • 体型は四肢短縮型低身長(近位=上腕・大腿が特に短い)、大頭、前額部突出、鞍鼻、三尖手。
  • 脊椎は椎弓根が短く脊柱管が狭い。腰椎前弯の増強と合わさり、成人期に腰部脊柱管狭窄症状が出やすい。
  • 下肢は内反(O脚)傾向。X脚ではない点が頻出の引っかけ。
  • 青色強膜=骨形成不全症、大動脈解離・くも指=マルファン症候群、と「特徴所見と疾患」を対で整理する。
比較表
軟骨無形成症骨形成不全症マルファン症候群
異常の中心FGFR3(内軟骨性骨化の障害)I型コラーゲンフィブリリン(結合組織)
身長・体型四肢短縮型低身長低身長、易骨折・変形高身長、細長い四肢・くも指
特徴所見大頭、鞍鼻、三尖手、腰椎前弯増強、O脚青色強膜、難聴、歯牙形成不全水晶体亜脱臼、漏斗胸、側弯
注意すべき合併症脊柱管狭窄、大後頭孔狭窄反復する骨折大動脈解離・大動脈瘤
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