学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §17 部位別各論 上腕・肘関節 / QJ33P060

理由で解く 柔道整復師

QJ33P060 整形外科学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問60
問題
離断性骨軟骨炎で誤っているのはどれか。
選択肢
1 股関節に多い。
2 変性壊死である。
3 MRIは診断に有用である。
4 野球をする小学生に好発する。
解答
正解1(股関節に多い。)
解説

この設問は「誤っているものを選ぶ」形式。離断性骨軟骨炎の好発部位は肘・膝・足関節で、股関節は含まれないため、選択肢1が答えになる。

離断性骨軟骨炎は、発育期の関節軟骨とその直下の軟骨下骨に繰り返しの圧迫・剪断力がかかり、微小骨折と血行障害から壊死・分離に至る病態である。代表は投球で肘の外側に圧迫が加わって生じる上腕骨小頭の病巣(野球肘外側型)で、ほかに膝の大腿骨内側顆の外側面、足関節の距骨滑車に多い。初期は無症状か軽い運動時痛だけのことが多く、進行して病巣が分離すると引っかかり感やロッキング、遊離体(関節ねずみ)による症状が出る。早期であれば投球を休止することで修復が期待できるため、10歳前後の野球少年には症状が軽くてもエックス線や超音波による検診を勧め、痛みがあれば投球数と期間を管理したうえで整形外科の評価につなぐ。

✓ 1. これが誤り(=設問の答え)
股関節に多い。
離断性骨軟骨炎の好発は肘(上腕骨小頭)・膝(大腿骨内側顆)・足(距骨滑車)で、股関節は典型的な発生部位ではない。小児の股関節で軟骨下骨の壊死が問題になるのは大腿骨頭の阻血性壊死=ペルテス病であり、別の疾患として区別する。
✗ 2. 正しい記述(=答えではない)
変性壊死である。
細菌感染によるものではなく、血行障害を背景とした無腐性(変性)壊死が本態である。骨端症(骨軟骨症)の一群として扱われる。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
MRIは診断に有用である。
病巣と母床の境界の液体信号や骨髄浮腫を捉えられるため、分離の有無と病期・安定性の判定に有用で、単純エックス線に写らない初期病変も検出できる。
✗ 4. 正しい記述(=答えではない)
野球をする小学生に好発する。
10歳前後の投球動作では、肘の外側で上腕骨小頭と橈骨頭が繰り返し圧迫される。この負荷が続く状況が典型的な発症背景で、野球肘外側型として知られる。
ポイント
  • 好発部位は肘(上腕骨小頭)・膝(大腿骨内側顆の外側面)・足(距骨滑車)。股関節は入らない。
  • 本態は繰り返す圧迫・剪断力による軟骨下骨の微小骨折と血行障害=無腐性(変性)壊死。感染ではない。
  • 初期は無症状のことが多く、進行して分離・遊離体になると引っかかりやロッキングが出る。「痛くないから大丈夫」は通用しない。
  • 早期発見にはMRI・超音波が有用。初期に投球を休止すれば修復が期待でき、進行例では手術(ドリリング、骨軟骨移植など)が必要になる。
  • 肘の外側の病巣=離断性骨軟骨炎(圧迫)、内側の障害=内側側副靱帯・上腕骨内側上顆の裂離(牽引)と、力のかかり方で対にして覚える。
比較表
部位病巣典型的な背景主な症状
上腕骨小頭10歳前後の投球(野球肘外側型)肘外側の運動時痛、伸展制限、ロッキング
大腿骨内側顆の外側面ジャンプ・切り返しの多い競技運動時痛、腫脹、遊離体による引っかかり
距骨滑車(内側・外側)足関節捻挫の反復足関節の痛み、腫れ、不安定感
股(参考)大腿骨頭=ペルテス病4〜8歳の男児跛行、股関節・膝の痛み、外転制限
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