学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §20 臨床実地問題 / QJ33P056
理由で解く 柔道整復師
ハチ刺傷の再曝露後に、顔面蒼白・意識消失・脈拍触知不能をきたしています。アナフィラキシーショックであり、緊急に投与すべき薬剤はアドレナリンです。
一度ハチに刺されると、その毒に対するIgE抗体が産生されて肥満細胞・好塩基球の表面に結合します(感作)。半年前の刺傷歴がこれにあたります。再び刺されると抗原がIgEを架橋し、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が一気に放出されて、全身の血管拡張と血管透過性亢進、気管支平滑筋の収縮が起こります。血管内から血漿成分が漏出して有効循環血液量が急減するため、血圧が保てなくなり、顔面蒼白・意識消失・脈拍触知不能というショックの徴候が現れます。アドレナリンはこの病態のすべての段階に同時に作用する唯一の薬剤です。α1受容体を介して末梢血管を収縮させて血圧を上げ、粘膜浮腫を軽減して気道を確保し、β1受容体で心収縮力と心拍数を高め、β2受容体で気管支を拡張させるとともに化学伝達物質のさらなる遊離を抑えます。投与は大腿前外側部への筋肉内注射で、遅らせないことが最も重要です。現場ではまず119番通報、仰臥位で下肢を挙上して静脈還流を確保し、アドレナリン自己注射薬(エピペン)を携行していれば直ちに使用します。呼吸・脈が確認できなければ心肺蘇生とAEDを開始します。
| 薬剤 | 主な作用 | 主な用途 |
|---|---|---|
| アドレナリン | α1+β1+β2 | アナフィラキシー、心停止 |
| ドパミン | 用量依存的にドパミン・β1・α1 | 心原性・敗血症性ショックの昇圧 |
| ドブタミン | β1選択的(心収縮力↑) | 心原性ショック、急性心不全 |
| ニトログリセリン | 血管拡張(前負荷↓) | 狭心症、急性心不全。ショックでは血圧をさらに下げる |
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