学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §5 総論 骨・関節の損傷 / QJ33P057
理由で解く 柔道整復師
本問は骨折後に偽関節(骨癒合が得られない状態)を生じやすい部位を問うものと読める。癒合するかどうかは、その骨に血液が届く道筋で決まり、選択肢のなかで血行が乏しいのは手舟状骨である。
手舟状骨は表面の大部分が関節軟骨に覆われ、栄養血管の入口が遠位(背側稜)に限られる。血流は遠位から近位へ逆行性に流れるため、腰部から近位で折れると近位骨片が血流を失い、骨壊死・遷延癒合・偽関節に陥りやすい。さらに手関節は日常動作で常に動くので固定が緩みやすく、受傷直後のエックス線では骨折線が写らず「捻挫」として放置されることも偽関節の大きな原因になる。手をついて受傷し嗅ぎタバコ窩に圧痛があれば本骨折を疑い、初回で写らなくても固定したうえで1〜2週後に再検するか、MRI・CTで確認する対応をとる。
| 骨折 | 血行 | 癒合の傾向 | 主な問題点 |
|---|---|---|---|
| 手舟状骨骨折 | 遠位から近位への逆行性で乏しい | 遷延癒合・偽関節が多い | 近位骨片の壊死、初期の見逃し |
| 橈骨遠位端骨折 | 海綿骨で豊富 | 良好 | 変形治癒、関節面の不整、腱断裂 |
| 大腿骨転子部骨折 | 関節包外で豊富 | 良好 | 内反変形、臥床による全身合併症 |
| 大腿骨頸部(内側)骨折 | 関節包内で絶たれやすい | 偽関節・骨頭壊死が多い | 阻血性骨頭壊死 |
| 脛骨近位端骨折 | 海綿骨で豊富 | 良好 | 関節面の陥没、外傷後変形性関節症 |
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