学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §6 総論 スポーツ整形外科 / QJ28P058
理由で解く 柔道整復師
スポーツ中の突然死は「心臓が急に止まる」か「頭部外傷で急激に脳が圧迫される」かのどちらかで起こります。慢性硬膜下血腫は数週間かけてゆっくり進む病態なので、その場で命を落とす突然死とは結びつきません。
競技中の突然死の多くは心臓が原因で、若年者では肥大型心筋症、QT延長症候群などの潜在する心疾患、そして胸部に球やひじが当たった瞬間に心室細動を起こす心臓震盪(commotio cordis)が代表です。頭部側では、脳しんとうを起こした選手が回復しないうちに再度の頭部外傷を受けると急激な脳腫脹をきたすセカンドインパクト症候群や、架橋静脈の断裂による急性硬膜下血腫が問題になり、これらは分〜時間の単位で致死的になります。一方、慢性硬膜下血腫は軽微な頭部外傷から3週〜数か月後に、高齢者や飲酒者で頭痛・認知機能低下・片麻痺として現れ、穿頭血腫除去で改善する予後良好な疾患です。現場では、胸部打撲後に倒れた選手には直ちに心肺蘇生とAEDを開始し、頭部外傷では脳しんとうが疑われた時点で必ず競技から外して段階的復帰を守ることが命を守る行動になります。
| 急性硬膜下血腫 | 慢性硬膜下血腫 | |
|---|---|---|
| 発症までの時間 | 受傷直後〜数時間 | 受傷後3週〜数か月 |
| 出血源 | 架橋静脈・脳挫傷部 | 被膜からの反復性の少量出血 |
| 好発 | 強い外力(スポーツ・転倒) | 高齢者・飲酒者・軽微な外傷 |
| 症状 | 意識障害、瞳孔不同、急速増悪 | 頭痛、認知機能低下、片麻痺が緩徐に |
| 突然死との関連 | 強い | 乏しい |
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