学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §2 総論 整形外科診察法 / QJ28P057
理由で解く 柔道整復師
異常歩行は「どの筋・どの神経が働かないか」から形が決まります。鶏歩(steppage gait)は足関節を背屈できないこと(下垂足)で起こるため、底屈筋である腓腹筋の麻痺とは結びつきません。
歩行は「遊脚期につま先を持ち上げる」「立脚期に骨盤を水平に保つ」「痛みを避ける」という要素で成り立っています。前脛骨筋(深腓骨神経)が麻痺すると遊脚期につま先が垂れ、地面に引っかからないよう膝と股関節を高く上げて踏み出す鶏歩になります。腓腹筋(脛骨神経)は立脚後期の蹴り出しを担う底屈筋なので、麻痺しても踵離れが弱くなる(蹴り出しの悪い歩行)のであって、つま先が垂れる鶏歩にはなりません。中殿筋が働かなければ立脚側に骨盤が保てずトレンデレンブルグ歩行、痛ければ患側の立脚時間を短くする逃避歩行、下肢が伸展・内反位で固まれば分回し歩行、と原因から形を導けます。
| 異常歩行 | 特徴 | 原因(責任筋・神経) |
|---|---|---|
| 鶏歩 | 膝を高く上げ、つま先から接地 | 前脛骨筋麻痺(総腓骨神経・L5) |
| トレンデレンブルグ歩行 | 片脚立ちで遊脚側の骨盤が下がる | 中殿筋不全(先天性股関節脱臼など) |
| 逃避歩行 | 患側の立脚時間が短い | 下肢の疼痛(椎間板ヘルニア等) |
| 分回し歩行 | 患肢を外側に弧を描いて振り出す | 片麻痺の痙性(脳血管障害) |
| 動揺性歩行 | 体幹を左右に振る、あひる様 | 両側中殿筋不全・筋ジストロフィー |
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