学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §16 脳卒中(救急法) / QJ33P055

理由で解く 柔道整復師

QJ33P055 外科学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問55
問題
非高血圧性脳内出血で正しいのはどれか。
選択肢
1 被殻出血
2 視床出血
3 小脳出血
4 アミロイドアンギオパチー
解答
正解4(アミロイドアンギオパチー)
解説

被殻・視床・小脳の出血は、いずれも高血圧を背景とする脳内出血の典型的な部位です。脳アミロイドアンギオパチーは、高血圧によらない脳内出血の代表的な原因にあたります。

高血圧が続くと、中大脳動脈などの太い動脈から直角に分かれる細い穿通枝の壁に強い負荷がかかり、類線維素壊死や微小動脈瘤が生じます。これが破綻するため、高血圧性脳内出血は穿通枝の支配域である被殻(最も多い)、視床、橋、小脳に集中します。一方、脳アミロイドアンギオパチーでは、アミロイドβタンパクが皮質および軟膜の小動脈壁に沈着して血管がもろくなり、高齢者の脳葉(皮質下)に出血を繰り返します。「高齢で高血圧の既往がはっきりせず、出血部位が皮質下寄りで再発性」という組み合わせが、非高血圧性を疑う手がかりです。

✓ 4. 正しい
アミロイドアンギオパチー
アミロイドβが皮質・軟膜の小動脈壁に沈着して血管壁の弾性が失われ、破綻して出血します。好発部位は穿通枝領域ではなく脳葉(皮質下)で、高齢者に多く再発しやすいのが特徴です。高血圧性脳内出血とは成因も部位も異なります。
✗ 1. 誤り(高血圧性の代表)
被殻出血
中大脳動脈から分岐するレンズ核線条体動脈の破綻によるもので、高血圧性脳内出血のなかで最も頻度が高い部位です。反対側の片麻痺や感覚障害に加え、病巣側を向く共同偏視がみられます。
✗ 2. 誤り(高血圧性の代表)
視床出血
後大脳動脈系の視床膝状体動脈などの穿通枝が破綻して起こる、高血圧性脳内出血の代表です。感覚障害が目立ち、眼球が内下方を向く偏視や、血腫が脳室に穿破して水頭症を来すことがあります。
✗ 3. 誤り(高血圧性の代表)
小脳出血
上小脳動脈の穿通枝の破綻によるもので、これも高血圧を背景とします。突然の回転性めまい、嘔吐、起立・歩行不能となる体幹失調が特徴で、血腫が脳幹を圧迫すると急速に意識障害が進むため緊急対応を要します。
ポイント
  • 高血圧性脳内出血は穿通枝の破綻。好発部位は被殻>視床>皮質下>小脳>橋。
  • 被殻出血は最多で、病巣側への共同偏視が特徴。
  • 視床出血は感覚障害が目立ち、脳室穿破を来しやすい。
  • 小脳出血は回転性めまい・嘔吐・体幹失調。脳幹圧迫の危険がある。
  • 脳アミロイドアンギオパチーは高齢者の脳葉(皮質下)出血の原因で、再発しやすい非高血圧性の代表。
比較表
高血圧性脳内出血脳アミロイドアンギオパチー
障害される血管穿通枝(レンズ核線条体動脈など)皮質・軟膜の小動脈
血管の変化類線維素壊死・微小動脈瘤アミロイドβの沈着
好発部位被殻・視床・橋・小脳脳葉(皮質下)
好発年齢・背景中年以降、高血圧の既往高齢者、高血圧の既往が明らかでないことも
再発血圧管理で抑制可能繰り返しやすい
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