学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §1 損傷 / QJ33P046
理由で解く 柔道整復師
開放創の初期処置は「消毒する」ではなく「洗い流す」が原則である。誤っているのは選択肢1で、洗浄には生理食塩水または飲用できる水道水を用いる。
消毒液(ポビドンヨードなど)は細菌を殺す一方で、創面の線維芽細胞・角化細胞や、感染防御のために遊走してきた白血球まで傷害してしまう。そのため上皮化と肉芽形成が遅れ、かえって治りにくい創になる。さらに消毒液は血液や滲出液に触れると失活しやすく、創面での殺菌効果は長続きしない。創感染を左右する最大の要因は、実は消毒の有無ではなく、創内に残った異物・壊死組織・血腫の量である。これらは十分な量の洗浄液で物理的に洗い流すのが最も確実で、消毒液は創周囲の健常皮膚・手術野・術者の手指といった「無傷の皮膚」に用途を限定する。なお柔道整復師が行えるのは応急手当としての洗浄・圧迫止血・被覆までであり、創の縫合や壊死組織の除去(デブリードマン)は外科手術にあたって業務範囲外である(柔道整復師法第16条)。開放創を扱ったら速やかに医療機関へ引き継ぐことを前提に読み進めたい。残る3肢は創傷治癒と熱傷の基本事項として正しい記述である。
| 深度 | 障害の及ぶ層 | 外見 | 疼痛 | 治癒経過 |
|---|---|---|---|---|
| I度(EB) | 表皮まで | 発赤・浮腫、水疱なし | あり(ヒリヒリ) | 数日で治り、瘢痕を残さない |
| 浅達性II度(SDB) | 真皮浅層 | 水疱あり、水疱底は赤色 | 強い | 1〜2週、瘢痕を残しにくい |
| 深達性II度(DDB) | 真皮深層 | 水疱あり、水疱底は白色 | 鈍い(知覚低下) | 3〜4週、瘢痕・拘縮を残しやすい |
| III度(DB) | 皮膚全層〜皮下組織 | 白色〜褐色・炭化、羊皮紙様に乾燥 | なし(無痛) | 自然上皮化せず、植皮が必要 |
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