学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §7 炎症 / QJ33A123

理由で解く 柔道整復師

QJ33A123 病理学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問123
問題
肉芽腫性炎を引き起こすのはどれか。
選択肢
1 梅毒
2 間質性肺炎
3 偽膜性大腸炎
4 アレルギー性鼻炎
解答
正解1(梅毒)
解説

梅毒は肉芽腫をつくる特異性炎の代表で、第3期にみられるゴム腫がその典型です。

肉芽腫性炎は、マクロファージが変化した類上皮細胞と、それらが融合した多核巨細胞が集まって塊(肉芽腫)をつくる慢性炎症である。異物や、マクロファージの中で生き延びる病原体のように「取り込んでも処理しきれない」相手を、細胞で囲い込んで封じ込めようとする反応と理解するとよい。原因としては結核(中心に乾酪壊死を伴う)、梅毒、ハンセン病、真菌症、サルコイドーシス、クローン病、縫合糸などの異物が代表的で、組織像から原因をかなり絞り込めるため生検の意義が大きい。なお、肉芽腫と、創傷治癒の過程で毛細血管と線維芽細胞に富んでできる肉芽組織とは別のものなので、名前が似ていても混同しないよう区別しておく。

✓ 1. 正しい
梅毒
梅毒トレポネーマによる慢性感染症。第3期に生じるゴム腫は、中心が壊死し、その周囲を類上皮細胞・リンパ球・形質細胞・線維組織が取り囲む肉芽腫で、皮膚・骨・肝などに生じる。結核・ハンセン病と並ぶ肉芽腫性炎(特異性炎)の代表として押さえる。
✗ 2. 誤り
間質性肺炎
肺胞隔壁(間質)を場とする炎症と線維化が主体で、肉芽腫の形成が中心となる病変ではない。進行すると蜂巣肺となり、ガス交換の場そのものが失われていく。
✗ 3. 誤り
偽膜性大腸炎
抗菌薬の使用後にクロストリジオイデス・ディフィシルが増殖し、その毒素で起こる。壊死物・フィブリン・好中球からなる偽膜が粘膜表面に付着する急性の炎症で、肉芽腫はつくらない。
✗ 4. 誤り
アレルギー性鼻炎
IgEを介するI型アレルギー。肥満細胞からのヒスタミン遊離と好酸球浸潤により、粘膜の浮腫・分泌亢進が起こる。急性・アレルギー性の炎症であり、肉芽腫性炎ではない。
ポイント
  • 肉芽腫性炎=類上皮細胞と多核巨細胞が集まって肉芽腫をつくる慢性炎症(特異性炎)。
  • 代表:結核(乾酪壊死あり)、梅毒(ゴム腫)、ハンセン病、サルコイドーシス、真菌症、クローン病、異物。
  • 「マクロファージが処理しきれない相手を囲い込む反応」と捉えると原因が推測できる。
  • 肉芽腫(炎症の塊)と肉芽組織(創傷治癒の修復組織)は別物。名称の混同に注意。
  • 偽膜性大腸炎=フィブリン性(偽膜性)炎、アレルギー性鼻炎=I型アレルギー、間質性肺炎=間質の線維化。それぞれ炎症の型が違う。
比較表
疾患炎症の型主に集まる細胞・所見
梅毒(第3期)肉芽腫性炎(特異性炎)類上皮細胞、形質細胞、線維化を伴うゴム腫
結核肉芽腫性炎(特異性炎)類上皮細胞、ラングハンス巨細胞、中心の乾酪壊死
間質性肺炎慢性増殖性炎肺胞隔壁のリンパ球浸潤と線維化
偽膜性大腸炎フィブリン性(偽膜性)炎好中球、フィブリン、壊死物からなる偽膜
アレルギー性鼻炎アレルギー性炎(I型)肥満細胞、好酸球、粘膜浮腫
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