学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §11 骨の生理 / QJ33A095

理由で解く 柔道整復師

QJ33A095 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問95
問題
腎臓でカルシウムイオンの再吸収を促進するのはどれか。
選択肢
1 アルドステロン
2 カルシトニン
3 成長ホルモン
4 副甲状腺ホルモン
解答
正解4(副甲状腺ホルモン)
解説

副甲状腺ホルモン(PTH)は腎の遠位尿細管でカルシウムイオンの再吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上げる。

血中カルシウムが低下すると副甲状腺の主細胞からPTHが分泌され、3つの経路で血中カルシウムを引き上げる。骨では破骨細胞の働きを高めてカルシウムを溶かし出し(骨吸収)、腎では遠位尿細管でカルシウムの再吸収を増やす一方、リン酸の再吸収は抑えて尿中へ捨てる。さらに腎でビタミンDを活性型(1,25-ジヒドロキシビタミンD)へ変える酵素を活性化し、腸管からのカルシウム吸収を間接的に増やす。逆に血中カルシウムが高いときは、甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)からカルシトニンが分泌され、骨吸収を抑えて尿中への排泄を増やす。「PTHは上げる、カルシトニンは下げる、活性型ビタミンDは腸から入れる」と役割で整理しておけば、どの角度から問われても対応できる。

✓ 4. 正しい
副甲状腺ホルモン
遠位尿細管でカルシウムの再吸収を促進し、リン酸の再吸収は抑制する。骨吸収の促進と活性型ビタミンD合成の促進と合わせて、血中カルシウム濃度を上げる方向にそろって働く。
✗ 1. 誤り
アルドステロン
副腎皮質球状帯から分泌されるステロイドホルモン。集合管でナトリウムの再吸収とカリウム・水素イオンの排泄を促す。カルシウムの再吸収を担うホルモンではない。
✗ 2. 誤り
カルシトニン
甲状腺の傍濾胞細胞から分泌され、血中カルシウムを下げる方向に働く。骨吸収を抑え、腎ではカルシウムの尿中排泄を増やすので、PTHとはちょうど逆向きである。
✗ 3. 誤り
成長ホルモン
下垂体前葉から分泌され、IGF-1(ソマトメジンC)を介して骨端軟骨の成長やタンパク質合成を促す。腎でのカルシウム再吸収を担う代表的なホルモンとしては挙げない。
ポイント
  • 血中カルシウムを上げるのはPTHと活性型ビタミンD、下げるのはカルシトニン。この三者の向きをまず固定する。
  • PTHの作用は3方向:骨吸収の促進、腎でのカルシウム再吸収の促進(リンは排泄)、活性型ビタミンD産生の促進。
  • 「カルシウムは残す、リンは捨てる」がPTHの腎での合言葉。
  • カルシトニンは甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)由来。甲状腺ホルモン(濾胞上皮細胞由来)と混同しない。
  • 血中カルシウム低下はテタニーを招く。ホルモンの働きを症状と結びつけて覚えると忘れにくい。
比較表
ホルモン分泌部位血中Caへの作用腎での作用
副甲状腺ホルモン(PTH)副甲状腺の主細胞上げるCaの再吸収↑/リン酸の再吸収↓
カルシトニン甲状腺の傍濾胞細胞下げるCaの排泄↑
活性型ビタミンD腎で活性化上げるCaの再吸収↑(主作用は腸管吸収↑)
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