学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ33A096

理由で解く 柔道整復師

QJ33A096 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問96
問題
毛細血管から間質に拡散するのはどれか。
選択肢
1 抗体
2 酸素
3 白血球
4 アルブミン
解答
正解2(酸素)
解説

酸素は脂溶性の小さな分子で、毛細血管の内皮細胞の膜をそのまま通り抜け、分圧の差に従って間質へ単純拡散する。

毛細血管の壁を物質が越える道筋はいくつかある。酸素や二酸化炭素のような脂溶性のガスは内皮細胞の細胞膜を直接通過し、分圧の高い側から低い側へ単純拡散する。水・ブドウ糖・電解質などの水溶性の小分子は、内皮細胞どうしのすきま(細胞間隙)を通って移動する。これに対しアルブミンや免疫グロブリンといった血漿タンパク質は分子が大きく、通常の連続型毛細血管の壁をほとんど通れない。そのおかげで血管内に留まって膠質浸透圧を生み、静脈側で水を血管内へ引き戻す力になる。白血球はそもそも拡散する物質ではなく、炎症時に接着分子を介して内皮のすきまを能動的にすり抜ける(血管外遊走)。「何が、どうやって通るのか」を分子の大きさと脂溶性で整理しておくと、この種の問題は理屈で解ける。

✓ 2. 正しい
酸素
脂溶性の小分子であり、内皮細胞の膜を直接通過して分圧勾配に従い単純拡散する。二酸化炭素も同様に拡散し、こちらは組織から血管内へ向かう。
✗ 1. 誤り
抗体
免疫グロブリンは分子量15万前後の大きなタンパク質。連続型毛細血管の壁を自由に通り抜けることはなく、拡散という語も当てはまらない。
✗ 3. 誤り
白血球
細胞であり、拡散ではなくアメーバ運動によって能動的に内皮のすきまをくぐり抜けて組織へ出る(遊走)。炎症の場に集まる仕組みとして理解しておく。
✗ 4. 誤り
アルブミン
血漿タンパク質のなかで最も量が多く、血管内に留まって膠質浸透圧を作る。毛細血管壁を拡散しないことこそが、その役割の前提になっている。低下すると浮腫を生じるのはこのため。
ポイント
  • 酸素・二酸化炭素は脂溶性のため内皮細胞膜を直接通過し、分圧勾配に従って単純拡散する。
  • 水・電解質・ブドウ糖などの水溶性小分子は内皮細胞間のすきまを通る。
  • アルブミンなどの血漿タンパク質は通過しにくく、血管内に残って膠質浸透圧を生む。低下すると浮腫が起こる。
  • 白血球の血管外への移動は拡散ではなく遊走(能動的な運動)。
  • 毛細血管での水の出入りは、押し出す静水圧と引き戻す膠質浸透圧の差(スターリングの法則)で決まる。
比較表
物質移動の仕組み通る場所
酸素・二酸化炭素単純拡散内皮細胞の細胞膜を直接通過
水・電解質・ブドウ糖拡散・濾過内皮細胞間のすきま
アルブミン・抗体ほとんど通過しない血管内に留まり膠質浸透圧を生む
白血球能動的な遊走内皮のすきまをすり抜ける
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