学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ33A082

理由で解く 柔道整復師

QJ33A082 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問82
問題
心筋で誤っているのはどれか。
選択肢
1 横紋筋である。
2 不随意筋である。
3 自律神経やホルモンの影響を受ける。
4 心筋細胞はシナプスを介して結合している。
解答
正解4(心筋細胞はシナプスを介して結合している。)
解説

心筋細胞どうしをつないでいるのはシナプスではなく、介在板にあるギャップ結合である。したがって4が誤りで、これが正答となる。

心筋は横紋をもちながら意思では動かせないという、骨格筋と平滑筋の中間の性格をもつ。隣り合う心筋細胞は介在板で強く接し、そこにあるギャップ結合を通してイオンが細胞から細胞へ直接流れる。そのため興奮は化学伝達を挟まずに電気的に広がり、心房は心房で、心室は心室でひとかたまりのように収縮する。これを機能的合胞体という。神経筋接合部のような化学シナプスを一つ一つ介していては、これほど速く均一な収縮は起こらない。「心筋=ギャップ結合=機能的合胞体」を一組で覚え、シナプスという語が出たら誤りと判断できるようにしておく。

✓ 4. これが誤り(正答)
心筋細胞はシナプスを介して結合している。
実際には介在板のギャップ結合によって電気的に連結している。この構造があるからこそ、洞房結節で生じた興奮が心筋全体へ速やかに広がり、同期した収縮が生まれる。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
横紋筋である。
アクチンとミオシンが規則正しく配列しており、骨格筋と同じ横紋が観察される。横紋筋は骨格筋と心筋の2つ。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
不随意筋である。
自律神経の支配を受け、意思では止められない。「横紋筋なのに不随意」という組み合わせこそ心筋の特徴で、そこが問われやすい。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
自律神経やホルモンの影響を受ける。
交感神経(β1受容体)で心拍数と収縮力が増し、迷走神経(M2受容体)で心拍数が下がる。アドレナリンや甲状腺ホルモンも心機能を高める。ただしこれらは調節であって、興奮の発生自体は洞房結節の自動能による。
ポイント
  • 心筋細胞は介在板のギャップ結合で電気的に連結し、機能的合胞体として一斉に収縮する。
  • 心筋は「横紋筋かつ不随意筋」。横紋の有無と随意・不随意は別々の分類軸だと意識する。
  • 心臓の拍動は洞房結節の自動能で始まる。自律神経やホルモンはその速さ・強さを調節するだけ。
  • 心筋の活動電位はプラトー相をもち不応期が長いため、強縮を起こさない。
  • 心臓で「全か無かの法則」が心筋全体のレベルで成り立つのは、ギャップ結合で結ばれた機能的合胞体だからである。長い不応期はあくまで強縮が起きない理由であって、全か無かの法則の理由ではない。
  • 「シナプス」「強縮」という語が心筋の説明に出てきたら誤りを疑う、と決めておくと判断が速い。
比較表
骨格筋心筋平滑筋
横紋ありありなし
随意性随意不随意不随意
支配神経体性運動神経自律神経(調節)自律神経
細胞間の連結なし(1細胞ずつ独立)介在板のギャップ結合ギャップ結合(単元平滑筋)
自動能なしあり(洞房結節)あり(消化管など)
強縮起こる起こらない持続的収縮が可能
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