学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §1 総論 / QJ33A081

理由で解く 柔道整復師

QJ33A081 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問81
問題
ATPを産生するのはどれか。
選択肢
1 ゴルジ装置
2 粗面小胞体
3 リソソーム
4 ミトコンドリア
解答
正解4(ミトコンドリア)
解説

細胞内でATPを大量に作り出す場所はミトコンドリアである。酸素を使う好気的代謝(クエン酸回路と電子伝達系)の本拠地と覚える。

細胞小器官は「役割分担」で整理すると迷わない。ミトコンドリアは二重膜構造をもち、内膜が折りたたまれてクリステを作る。マトリックスでクエン酸回路が回り、内膜に並ぶ電子伝達系で酸素が最終的な電子受容体となってATPが合成される(酸化的リン酸化)。細胞質基質の解糖系でもATPはできるが、グルコース1分子あたり2分子とわずかで、ミトコンドリアが加わると合計30分子前後まで跳ね上がる。他の小器官はタンパク質の合成・加工・分解を担当し、ATPを産生する場ではない。まず「エネルギー=ミトコンドリア」を固定し、残りは“タンパク質の流れ作業”としてまとめて覚えるとよい。

✓ 4. 正しい
ミトコンドリア
マトリックスのクエン酸回路と内膜の電子伝達系を備え、酸素を用いてADPからATPを合成する。独自のDNAをもち母親由来であること、赤血球には存在しないことも併せて押さえておく。
✗ 1. 誤り
ゴルジ装置
粗面小胞体から届いたタンパク質に糖鎖などの修飾を加え、行き先ごとに小胞へ詰めて送り出す「加工・出荷部門」。ATPは作らず、むしろ消費する側である。
✗ 2. 誤り
粗面小胞体
表面にリボソームが付着し、分泌タンパク質や膜タンパク質を合成する場。合成にATPを使う側であって、産生はしない。
✗ 3. 誤り
リソソーム
加水分解酵素を含み、取り込んだ異物や不要になった自己成分を分解する「処理場」。分解産物は再利用されるが、ATP合成そのものは行わない。
ポイント
  • ATP産生の主役はミトコンドリア。マトリックスのクエン酸回路+内膜(クリステ)の電子伝達系で、酸素を使って大量のATPを作る。
  • 細胞質基質の解糖系は酸素なしでATPを2分子作れるが、量は圧倒的に少ない。
  • 粗面小胞体→ゴルジ装置は「合成→加工・出荷」というタンパク質の流れ作業。リソソームは分解、滑面小胞体は脂質合成とカルシウム貯蔵。
  • ミトコンドリアは独自DNAをもち母親由来。成熟赤血球にはミトコンドリアがなく、解糖系だけでエネルギーをまかなう。
  • 小器官の問題は「エネルギー/合成/加工/分解」の4分類に当てはめて解く習慣をつけると取りこぼさない。
比較表
細胞小器官主な働きATP産生
ミトコンドリアクエン酸回路・電子伝達系による好気的代謝する(主役)
粗面小胞体リボソームでのタンパク質合成しない
滑面小胞体脂質・ステロイド合成、カルシウム貯蔵しない
ゴルジ装置タンパク質の修飾・選別・分泌小胞の形成しない
リソソーム加水分解酵素による分解・処理しない
細胞質基質解糖系(酸素不要)する(少量・2分子)
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