学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ33A080

理由で解く 柔道整復師

QJ33A080 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問80
問題
触知できないのはどれか。
選択肢
1 膝窩動脈
2 足背動脈
3 大腿動脈
4 閉鎖動脈
解答
正解4(閉鎖動脈)
解説

設問は「触知できないもの」を選ぶ問題。閉鎖動脈は骨盤腔から閉鎖管を経て内転筋群の深部に入るため、体表から拍動を触れることはできない。正解は4。

動脈の拍動を体表から確かめられる条件は二つある。皮下の比較的浅い層を通ることと、その直下に骨など押し当てられる硬い支えがあることである。この二条件で下肢の動脈を見直すと判断しやすい。閉鎖動脈は内腸骨動脈の枝として骨盤腔の側壁を前下方に走り、閉鎖管を抜けたあとも大腿の内転筋群の深部に分布するので、どちらの条件も満たさない。これに対して大腿動脈は鼠径靱帯中央のすぐ下で大腿骨頭を背にして浅く走り、足背動脈は足根骨の上を薄い皮膚の下で走るため、いずれも明瞭に触れる。日常の評価では、下肢の血行を確認するときに大腿動脈・膝窩動脈・後脛骨動脈・足背動脈を近位から遠位へ順に触れていくとよい。

✓ 4. これが答え(触知できない)
閉鎖動脈
内腸骨動脈の枝で、骨盤腔内を走り閉鎖管を通って大腿内側の深部へ入る。全経過が深部にあるため体表から拍動を確認できない。
✗ 1. 触知できる(答えではない)
膝窩動脈
膝窩の深部を走るが、腹臥位で膝を軽く屈曲させて筋を緩め、膝窩の深部を指で圧迫すると拍動を触れる。下肢の動脈のなかでは触れにくいものの、触知は可能である。
✗ 2. 触知できる(答えではない)
足背動脈
足背で長母趾伸筋腱の外側を走る。骨の上を浅く通るため触れやすく、末梢循環の評価に日常的に用いる。
✗ 3. 触知できる(答えではない)
大腿動脈
鼠径靱帯中央のすぐ下、大腿三角(スカルパ三角)で浅く走り、強い拍動を触れる。血管穿刺の部位としても用いられる。
ポイント
  • 触知できるのは「浅く走る」かつ「下に硬い支えがある」動脈。
  • 閉鎖動脈は触知できない:内腸骨動脈の枝で骨盤腔 → 閉鎖管 → 内転筋群の深部を走る。
  • 大腿動脈=鼠径靱帯中央のすぐ下(大腿三角)で触知。
  • 膝窩動脈=腹臥位・膝軽度屈曲で膝窩の深部を圧迫して触知。
  • 足背動脈=長母趾伸筋腱の外側/後脛骨動脈=内果の後下方。下肢の血行評価の基本部位。
比較表
動脈触知触知部位・走行
大腿動脈鼠径靱帯中央のすぐ下(大腿三角)
膝窩動脈腹臥位・膝軽度屈曲で膝窩の深部を圧迫
後脛骨動脈内果の後下方
足背動脈足背、長母趾伸筋腱の外側
閉鎖動脈×内腸骨動脈の枝。骨盤腔 → 閉鎖管 → 内転筋群の深部
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