学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ33A083

理由で解く 柔道整復師

QJ33A083 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問83
問題
抑制性シナプスの神経伝達物質はどれか。
選択肢
1 グルタミン酸
2 アセチルコリン
3 ノルアドレナリン
4 ガンマアミノ酪酸(GABA)
解答
正解4(ガンマアミノ酪酸(GABA))
解説

中枢神経系を代表する抑制性の神経伝達物質はガンマアミノ酪酸(GABA)である。

伝達物質が興奮性か抑制性かは、結合した受容体がどのイオンチャネルを開くかで決まる。GABAがGABA_A受容体に結合すると塩化物イオン(Cl-)チャネルが開き、Cl-が細胞内へ流入して膜電位が過分極する。これが抑制性シナプス後電位(IPSP)で、そのニューロンは活動電位を発生しにくくなる。脊髄ではグリシンが同じ役割を担い、レンショウ細胞による反回抑制などに関与する。逆にナトリウムチャネルを開いて脱分極(EPSP)を起こす代表がグルタミン酸である。「興奮=グルタミン酸、抑制=GABA(脳)/グリシン(脊髄)」と対にして覚えると、この型の問題は確実に取れる。

✓ 4. 正しい
ガンマアミノ酪酸(GABA)
グルタミン酸から作られるアミノ酸性の伝達物質。Cl-の流入による過分極でIPSPを生じ、中枢神経系の興奮を抑える。抗不安薬や全身麻酔薬の多くがこの受容体に作用する点も理解の助けになる。
✗ 1. 誤り
グルタミン酸
中枢神経系で最も広く使われる興奮性伝達物質。AMPA受容体やNMDA受容体を介して脱分極を起こし、記憶の基礎となる長期増強にも関わる。
✗ 2. 誤り
アセチルコリン
神経筋接合部、自律神経節、副交感神経の節後線維終末で働く。骨格筋では明確に興奮性で、抑制性シナプスの代表とはいえない(心臓ではM2受容体を介して抑制的に働くが、それは受容体側の性質による)。
✗ 3. 誤り
ノルアドレナリン
交感神経節後線維や脳幹の青斑核から放出されるモノアミン。受容体の型(α・β)により作用の向きが変わるため、抑制性伝達物質の代表としては挙げない。
ポイント
  • 抑制性伝達物質の代表はGABA(脳)とグリシン(脊髄)。どちらもCl-チャネルを開いて過分極させる。
  • 興奮性伝達物質の代表はグルタミン酸。Na+流入で脱分極(EPSP)を起こす。
  • 興奮性か抑制性かを決めるのは受容体とイオンチャネルであり、伝達物質だけでは決まらない場合がある(ACh、ノルアドレナリンなど)。
  • 過分極=閾値から遠ざかる=活動電位が出にくい、という因果を言葉で説明できるようにしておく。
  • ドパミン・セロトニン・ヒスタミンもモノアミンとして頻出。産生部位(黒質、縫線核など)とセットで整理しておく。
比較表
伝達物質主な分布作用
グルタミン酸中枢神経全般興奮性(Na+流入・EPSP)
GABA脳(大脳・小脳など)抑制性(Cl-流入・IPSP)
グリシン脊髄・脳幹抑制性(Cl-流入・IPSP)
アセチルコリン神経筋接合部、自律神経節、副交感神経終末骨格筋では興奮性(部位により抑制的作用も)
ノルアドレナリン交感神経節後線維、青斑核受容体の型により興奮性・抑制性
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