学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ33A084

理由で解く 柔道整復師

QJ33A084 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問84
問題
自律神経の二重支配を受けないのはどれか。
選択肢
1 汗腺
2 心臓
3 膵臓
4 唾液腺
解答
正解1(汗腺)
解説

汗腺は交感神経だけが支配し、副交感神経は分布しない。したがって自律神経の二重支配を受けない。

多くの内臓は交感神経と副交感神経の両方から支配を受け(二重支配)、しかも互いに逆向きに働く(拮抗支配)。ところが交感神経の単独支配となる器官がいくつかあり、汗腺・立毛筋・皮膚や骨格筋の血管・副腎髄質・脾臓が代表である。「汗・毛・血管・副腎髄質」とまとめて覚えておくと迷わない。なお汗腺を支配する交感神経節後線維は例外的にアセチルコリンを放出する(コリン作動性交感神経)点も頻出で、分類とセットで押さえておきたい。緊張したときに手のひらに汗をかくのは、この交感神経の単独支配が働いた結果である。

✓ 1. 二重支配を受けない(正答)
汗腺
交感神経のみの単独支配で、副交感神経の分布はない。節後線維の伝達物質がアセチルコリンであるという例外も一緒に覚えておくと、伝達物質の問題にも対応できる。
✗ 2. 二重支配を受ける(答えではない)
心臓
交感神経で心拍数と心収縮力が増し、迷走神経(副交感神経)で心拍数が下がる。二重支配・拮抗支配の典型例。
✗ 3. 二重支配を受ける(答えではない)
膵臓
迷走神経が膵液の分泌やインスリン分泌を促し、交感神経は抑制方向に働く。外分泌・内分泌の両面で両者の支配を受ける。
✗ 4. 二重支配を受ける(答えではない)
唾液腺
副交感神経の刺激ではさらさらした漿液性の唾液が多量に、交感神経の刺激では粘り気の強い唾液が少量分泌される。どちらも分泌を起こすが性状が異なるのが特徴で、単純な拮抗支配とは言い切れない例として問われやすい。
ポイント
  • 交感神経の単独支配(二重支配を受けない)は、汗腺・立毛筋・皮膚および骨格筋の血管・副腎髄質・脾臓。
  • 汗腺の交感神経節後線維はアセチルコリンを放出する。交感神経=ノルアドレナリンという原則の例外として頻出。
  • 副腎髄質は交感神経の節前線維が直接支配し、アドレナリンを分泌する(節後ニューロンが変化したもの)。
  • 唾液腺は二重支配だが拮抗ではなく、分泌される唾液の性状が変わるタイプ。
  • 設問が「二重支配」か「拮抗支配」かで答えが変わることがある。どちらを問われているか読み分ける習慣をつけたい。
比較表
区分器官備考
交感神経の単独支配汗腺、立毛筋、皮膚・骨格筋の血管、副腎髄質、脾臓汗腺はACh放出の例外
二重支配(拮抗)心臓、瞳孔、気管支、消化管、膀胱作用が逆向き
二重支配(非拮抗)唾液腺唾液の量と性状が変わる
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