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理由で解く 柔道整復師

QJ33A085 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問85
問題
誘発筋電図のH波で正しいのはどれか。
選択肢
1 脊髄が介在して発生する。
2 M波より短い潜時で発生する。
3 筋を刺激することで発生する。
4 振幅の大きさは電気刺激強度に比例する。
解答
正解1(脊髄が介在して発生する。)
解説

H波はIa群求心性線維の興奮が脊髄でα運動ニューロンに乗り換えて生じる反射性の応答である。脊髄が介在する点が最大の特徴。

末梢神経を電気刺激すると、記録される筋の応答は2種類ある。刺激が運動線維を直接下行して筋に届いて生じるのがM波。もう一つが、Ia群求心性線維を上行した興奮が後根から脊髄に入り、単シナプス性にα運動ニューロンを興奮させ、前根を通って筋に戻ってくるH波(ホフマン反射)である。脊髄をぐるりと回る分だけ経路が長いので、H波の潜時はM波より長い。刺激強度を上げていくと、まず閾値の低い太いIa線維が興奮してH波が現れ、さらに強くするとM波が増大する一方、運動線維を逆行する興奮が反射性インパルスと衝突してH波はかえって減弱・消失する。要するにH波は「伸張反射の脊髄回路を電気刺激で再現した検査」だと理解しておくと、選択肢の正誤をその場で導き出せる。

✓ 1. 正しい
脊髄が介在して発生する。
Ia線維→脊髄のα運動ニューロン→筋、という単シナプス反射弓を通る。下腿三頭筋のH波は膝窩部で脛骨神経を刺激して記録するのが代表的で、脊髄α運動ニューロンの興奮性を評価する指標として使われる。
✗ 2. 誤り
M波より短い潜時で発生する。
逆である。脊髄まで往復するH波のほうが経路が長く、潜時は長い。M波は末梢神経から筋への一方通行なので早く出現する。
✗ 3. 誤り
筋を刺激することで発生する。
刺激するのは筋ではなく末梢神経である。筋そのものを刺激しても求心路をさかのぼれず、反射弓は回らない。
✗ 4. 誤り
振幅の大きさは電気刺激強度に比例する。
H波は弱い刺激で出現し、強度を上げると逆行性インパルスとの衝突によって減弱・消失する。刺激強度に比例して増大し、やがて最大値で頭打ちになるのはM波のほうである。
ポイント
  • H波=ホフマン反射。Ia群求心性線維→脊髄→α運動ニューロン→筋という単シナプス反射で、伸張反射の電気刺激版。
  • 潜時はH波>M波。脊髄を往復する分だけ遅れる。
  • 刺激強度を上げるとM波は増大しH波は減弱・消失する。閾値はIa線維(H波)のほうが低い。
  • 刺激するのは末梢神経であって筋ではない。記録は筋から行う。
  • H波は脊髄α運動ニューロンの興奮性の指標。痙縮などで亢進するという臨床的意味も結びつけておく。
比較表
M波H波
経路運動線維を直接下行して筋へIa線維→脊髄→α運動ニューロン→筋
脊髄の介在なしあり(単シナプス反射)
潜時短い長い
出現する刺激強度比較的強い刺激から弱い刺激から
強い刺激での変化増大し最大値で頭打ち減弱・消失
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