学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §11 骨の生理 / QJ32A095

理由で解く 柔道整復師

QJ32A095 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問95
問題
血中カルシウム濃度の低下に対する正常な生体の反応はどれか。
選択肢
1 骨吸収の減少
2 カルシトニン分泌の低下
3 活性型ビタミンD 合成の低下
4 副甲状腺ホルモン(パラソルモン)分泌の低下
解答
正解2(カルシトニン分泌の低下)
解説

血中カルシウム濃度が下がると、生体はCaを上げる方向へ動く。副甲状腺ホルモン(PTH)分泌↑・骨吸収↑・活性型ビタミンD合成↑となり、Caを下げるホルモンであるカルシトニンの分泌は低下する。

血中Ca²⁺は副甲状腺主細胞のCa感知受容体が常時モニターしている。Ca²⁺が下がるとPTHが分泌され、①破骨細胞の活性を高めて骨吸収を促進し骨からCaを動員、②腎遠位尿細管でのCa再吸収を促進(同時にリンの再吸収は抑制して排泄)、③腎近位尿細管の1α-水酸化酵素を活性化して活性型ビタミンD(1,25-(OH)₂D)の合成を促進し、腸管からのCa吸収を高める、という三方向から血中Caを引き上げる。一方カルシトニンは甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)から血中Caが高いときに分泌され、破骨細胞を抑えて骨吸収を減らし血中Caを下げるホルモンなので、低Ca時には分泌が低下する。「PTHと活性型ビタミンDは上げ役、カルシトニンは下げ役」と役割を分けて押さえるのが確実である。

✓ 2. 正しい
カルシトニン分泌の低下
カルシトニンは血中Caが高いときに甲状腺傍濾胞細胞から分泌され、骨吸収を抑えてCaを下げるホルモンである。血中Caが低下した場面ではその分泌は減り、Caを下げる力が弱まる。
✗ 1. 該当しない
骨吸収の減少
低Ca時にはPTHが破骨細胞の活性を高め、骨からCaを取り出すため骨吸収は増加する。骨は体内最大のCa貯蔵庫であり、緊急時の供給源として使われる。
✗ 3. 該当しない
活性型ビタミンD 合成の低下
PTHが腎近位尿細管の1α-水酸化酵素を活性化するため、活性型ビタミンDの合成は増加する。これにより腸管からのCa吸収が高まる。
✗ 4. 該当しない
副甲状腺ホルモン(パラソルモン)分泌の低下
低Caを感知して真っ先に分泌が増加するのがPTHである。骨・腎・(ビタミンDを介して)腸の三方向に働き、血中Caを引き上げる中心的役割を担う。
ポイント
  • 低Ca時の反応:PTH↑ → 骨吸収↑・腎Ca再吸収↑・活性型ビタミンD↑ → 腸管Ca吸収↑
  • カルシトニンは高Ca時に分泌される「下げ役」。低Ca時には分泌が低下する。
  • PTHはリンについては腎での再吸収を抑え、尿中排泄を増やす(Caと逆方向)。
  • 活性型ビタミンD(1,25-(OH)₂D)は腎の1α-水酸化酵素で作られ、腸管Ca吸収を高める。
  • 副甲状腺の主細胞にあるCa感知受容体が、血中Ca²⁺を常時モニターしている。
比較表
PTH(パラソルモン)活性型ビタミンDカルシトニン
分泌部位副甲状腺主細胞腎(近位尿細管で活性化)甲状腺傍濾胞細胞
分泌の引き金血中Ca低下PTHによる刺激血中Ca上昇
吸収を促進吸収を促進吸収を抑制
Ca再吸収↑・リン排泄↑Ca再吸収↑Ca排泄↑
腸管間接的に吸収↑Ca吸収を直接促進
血中Ca上げる上げる下げる
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