学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §11 骨の生理 / QJ31A094

理由で解く 柔道整復師

QJ31A094 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問94
問題
骨吸収を抑制するのはどれか。
選択肢
1 エストロゲン
2 コルチゾール
3 甲状腺ホルモン
4 副甲状腺ホルモン
解答
正解1(エストロゲン)
解説

エストロゲンは破骨細胞の働きを抑えて骨吸収にブレーキをかける。閉経でこれが失われると骨吸収が骨形成を上回る。

骨は破骨細胞による吸収と骨芽細胞による形成を繰り返して絶えず入れ替わっている。エストロゲンは骨芽細胞が出すRANKLを減らし、その働きを打ち消すオステオプロテゲリンを増やすことで破骨細胞の分化を抑え、さらに破骨細胞のアポトーシスを促す。全体として骨吸収が抑えられる方向に働くため、閉経後にエストロゲンが急減すると吸収が形成を上回り、閉経後骨粗鬆症をきたす。骨吸収を抑えるホルモンとしては、甲状腺の傍濾胞細胞から出るカルシトニンも合わせて押さえておくとよい。

✓ 1. 正しい
エストロゲン
破骨細胞の分化と活動を抑え、その寿命も短くすることで骨吸収を抑制する。骨量を保つ働きがあるため、閉経後の急減が骨粗鬆症の主因になる。
✗ 2. 誤り
コルチゾール
骨芽細胞の働きを抑えて骨形成を減らし、腸管からのCa吸収を減らして副甲状腺ホルモンの分泌を高めるため、結果として骨吸収は進む。副腎皮質ステロイド薬を長期に使うと骨粗鬆症が問題になる理由でもある。
✗ 3. 誤り
甲状腺ホルモン
骨の代謝回転を全体に速める。過剰になると吸収が形成を上回って骨量が減るため、抑制する側とは言えない。甲状腺機能亢進症では骨量減少がみられる。
✗ 4. 誤り
副甲状腺ホルモン
骨芽細胞を介して破骨細胞を活性化し、骨からCaを溶かし出して血中Ca濃度を上げる。骨吸収を促すホルモンの代表である。
ポイント
  • 骨吸収を抑えるのはエストロゲンとカルシトニン。この2つをまず固定する。
  • 骨吸収を促すのは副甲状腺ホルモン、コルチゾール、過剰な甲状腺ホルモンなど。
  • 破骨細胞は骨を壊す細胞、骨芽細胞は骨を作る細胞。破骨細胞はRANKL-RANKの結合で活性化する。
  • 閉経後骨粗鬆症は、エストロゲン低下による骨吸収亢進が原因。
  • 血中Caを上げるのは副甲状腺ホルモンと活性型ビタミンD、下げるのはカルシトニン。
比較表
ホルモン骨吸収への影響血中Ca濃度
エストロゲン抑制大きな変動はない
カルシトニン抑制低下
副甲状腺ホルモン促進上昇
コルチゾール促進(骨形成は抑制)大きな変動はない
甲状腺ホルモン代謝回転を亢進、過剰で骨量減少過剰時にやや上昇
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